名前変換など
□バクテン(参)
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参。
「お主の世界の某はどんな人物なのだ?」
「えっ、幸村様?」
赤いのが興味深々といったふうに聞いてきた。
幸村同士でややこしいな…
「幸村様はねぇ、背はこんくらい。すんごい強くてねぇ、性格は真面目で〜」
ちょっと天然で、向こう見ずで、鬱陶しいくらいの熱血で、唐変木で、友達が変人ばっかで、
「優しい人だよん」
てとこにしとこうかな。
「うむ、高潔な武人なのであるな!一度手合わせ願いたいものだ!!」
「やめといたほうがいいよぉ〜幸村様馬鹿みたいに強いもん。アンタなんてフルボッコだってぇ〜」
「うおお、燃えるでござるぅ!!!くのいち殿は、そちらの某と親しいのでござるか!」
「そりゃも〜アタシと幸村様はお熱〜い関係で★」
ばちこん★(うぃんく)
なんちゃってー。
「そ、某は忍と…?!破廉恥でござる!!!!」
赤いのが顔まで真っ赤になった。てかアンタビックリマーク多すぎ。
「ホントかねぇ〜」
五月蝿いよ、忍。
それにしても、同じ名前なのに全然似てないのね。幸村様はこんな落ち着きなくないし。
猿飛だって、くのいちが知ってるのはこんな軽い奴じゃない。すごいモ…じゃなくて堅物だもんね。
「それにしても、くのいち殿はいい時に来て下さった!」
「ん?何かあるの?」
「お館様がこの城にいらっしゃるのでござる!是非ともお会いしていただきたい!」
「え、なんで?」
「別の世界からのお客様でござる!お館様にも紹介せねば!!」
「へぇ。お館様って、武田信玄?」
「うむ!」
ふーん。
夢の中でも、お館様大好きだけはお揃いなのかな?
そんな話をしていると何やら外の方が騒がしくなった。
「!!
お館様のご到着でござるかぁぁ!!お出迎えに参れないなど幸村一生の不覚ぅぅ!!!」
ばん!どぴゅー。
赤いのは叫ぶと部屋をすごい速さで出て行った。
後にはくのいちと忍が残される。
「何アレ」
「なんだ、予定より早かったな。大将」
忍が面倒くさそうにのそりと腰を上げた。
こっちの世界のお館様かぁ。ちょっと見てみたいかも。
「アタシも見に行っちゃお〜」
忍がちらりとこちらを見てから深いため息をついた。
「何よ?」
「あと一刻くらい、後に来たほうがいいかもよ…」
「?」
よくわかんない奴だな。
「お館さむわぁぁぁぁ!!!!」
「幸村ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「おーやーかーたーさーむぅわぁぁぁ!!!!」
「ゆーきーむーるぅぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「…何コレ」
城の門まで出てきたはいいが。
目の前では異種格闘戦?ホント何これ?赤いのと立派そうな赤い人の殴り合い、が繰り広げられていた。
赤いの、すんごい笑顔。
「だーから、待った方がいいって言ったでしょ。しばらくは終わんないよ、コレ」
忍がやれやれといった風に門の上に胡座をかいた。
赤い二人のぶつかり合いはまだ続いていて、その周りでは家来ぽい人達が見守ってる。てか絶対引いてる。
「この夢ってばヘンすぎ…」