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□バクテン(弐)
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弐。


「は〜にゃ〜せ〜!おろしてよ〜!」

「ハイハイ、暴れないでね」

首根っこを掴まれて引っ張られる。
何気に背の高い忍に吊されて足をばたつかせたが、何の効果もなかった。


くのいち、不覚ながら敵(?)に捕らえられてしまいました。あう。


「あ〜ん、ゆきむらさまぁ〜!」

「何でござろう!」

「だからアンタじゃないって!!」

すかさず言い返すと、赤いのはしょんぼりと肩を落とした。

くそう、この忍があんまり変なことゆうから、ぽかんとして油断しちゃった。
いつもならこんな無様に捕まったりしないからね!
ひとしきり暴れてみたが効果はないので、くのいちはこの状況を考えてみることにした。

この忍は、くのいちが何者かわかるまでは危害を加えるつもりはないらしい。
だとしたら今はおとなしくしてるのが得策。
隙さえつけばいつだって逃げ出すことは出来るんだから。



さて、
木の上で昼寝してたとこまでははっきり覚えてる。
てことは、これはくのいちの夢?
幸村様がこの赤い変なのとか、知ってるはずの風景がちょっとずつ違うのとか、それで全
て話がつく。
とゆうか、そうでないとおかしいじゃない…。

なあんだ。夢なのか。
納得、納得★
それにしちゃ、風の匂いとか、この忍の体温とか、やけに本物ぽいんだけどね。



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