少年陰陽師/文

□飴玉
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「昌浩、何か食べてんのかー?」


全てはこの一言から始まった。


「あー?あ、飴だよ飴。さっき彰子にもらったんだ」

そう言いながら、昌浩は丁重に畳まれた綺麗な染め布を広げて見せた。
床に置かれた布の上で、毬を模擬して作られたであろう美しい模様の飴玉が5つほど転がっている。
物の怪は、しばらくそれを見つめた後に神妙な面持ちで問いかけた。

「飴って…うまいか?」




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