長編novel

□君の好きなようにして・3
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明日からテスト週間が始まる

今は部活動の時間だが、明日からはテスト勉強の為部活も休みだ

みんなどこか練習に身が入らないでいた

カガリもその内の一人だった

カガリの場合部活は大好きで、テスト週間だろうが何だろうが、バスケをしたいのだが
どうしても気になる事があり、集中できないでいた



休憩の合間、体育館のグラウンドに面した扉にもたれてサッカー部の方向を見る

カガリはある人物を探していた

その人物はすぐに見つかった

グラウンドの片隅にあるベンチの傍にいる女の子達

その中にいる、赤毛の髪に、ショートの女の子

(あれがルナマリアか)

フレイから聞いた容貌をあてはめる

遠くからでも分かる華やかさ、大きな瞳に小さな口、ショートの髪が良く似合っているなとカガリは思った

ジャージを着ているものの、腰の細さ胸の豊かさが分かるようだった

(もし本当にルナマリアがシンの事好きだったら・・私じゃ敵わないな)

1歳年下のかわいいルナマリアを見てカガリは自信をなくした



グラウンドでは顧問の呼びかけにサッカー部員が一箇所に集まる

マネージャー達も駆け寄って、タオルやら飲み物を部員達に渡す

ルナマリアがシンにタオルを渡すと、シンはサンキュと受け取り汗を拭く

その後二人は何やら談笑をしているのをカガリは体育館から見つめていた



ふと視線に気付いたシンがカガリに手を振る

「俺・も・休・憩・だ・か・ら・そっち・行って・いい?」

ジェスチャーでシンが聞いてきた

傍にいるルナマリアもカガリの方を見る

こっそり二人を盗み見していたつもりだったカガリは慌てた

狼狽して腕をあちこち動かしていると、シンがカガリの元に笑いながら駆け寄ってきた



「カガリー。そのジェスチャー何がいいたいのかわかんねーよ」

シンはカガリの真似をして身振り手振りする

「あ・・いや・・それはだな・・」

意味など何もなかった



「はー疲れた」

シンはカガリの立っている横に座る、つられてカガリもしゃがむ

「なーカガリー。明日からテスト週間楽しみだな」

シンはなおも流れ出る汗をタオルで拭きとる

「えっ!シンおまえ楽しみなのか?
私はうんざりだよ、部活まで休みにしていかにも、テストの勉強しろ!って感じでプレッシャーだな」

同意できないとカガリは首を振る



(俺が楽しみなのは、テスト勉強じゃなくて、カガリと一緒に勉強できる事なんだけどな)

「プレッシャー感じても勉強しないくせに何いってんだよ」

図星をつかれてへへへと笑うカガリの鼻をシンはつまんだ

やめろよーと鼻声でカガリが言う

いつものように休憩時間が過ぎていくかと思っていた、カガリがこの言葉を発するまでは
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