その他

□かさね、無謀な一日
前半
1ページ/6ページ


「お、はよう…御座います……」

「……」





こんにちわ。かさねです……。
こっち【戦国時代】に来てからと云うもの、何だか色々慣れません。

相変わらず、朝起きると頭の上に天狼が乗っかってるし、柴田さんや勝家さんに挨拶しても無言のままで。
今も信長さん(ここの殿様)に挨拶したのだが、じっと見られて無言で素通り。



「(くっ…分かってたけどさ…)」



私の居た世界のみんなは挨拶すると、挨拶を返してくれるような優しい人達ばかりだったから、何だか負に落ちない。
この尾張の国の主、織田信長が私の知っている織田信長と合っているのか。でも、この前、五郎左さんが『織田上総信長様ですよ』っと言ってたのだから、同じ人物なのであろう。



歴史上の人物に会うなんてそうそうない。


「なんとか仲良くなれないかなぁ………はぁ…」



屋敷の傍らでのんびりしていると、



「殿と仲良くなりたいのか?」


「わっ!ビックリした」


「ハハ〜〜♪ビックリした?した?」


私の後から顔を逆さまに出してきたのは犬千代さん。本名は前田秀則。犬みたいに、いつもハシャイでいるから犬千代と付けられたらしい。

ふと、いつも一緒に居る二人が居ないことに気が付く


「あれ??犬千代さん、内蔵助さんと五郎左さんは?」

「ん?蔵は銃の手入れ〜♪五郎左はどっか行った〜。」

「そっか〜♪『ぐううぅ〜〜〜』………///」


ああぁ〜…これから楽しくお話ししようかと思ったのにぃ〜、
そんな私を観ていた犬千代さんはいきなり手を掴んで歩き出した。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ