その他
□かさね、無謀な一日
前半
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「お、はよう…御座います……」
「……」
こんにちわ。かさねです……。
こっち【戦国時代】に来てからと云うもの、何だか色々慣れません。
相変わらず、朝起きると頭の上に天狼が乗っかってるし、柴田さんや勝家さんに挨拶しても無言のままで。
今も信長さん(ここの殿様)に挨拶したのだが、じっと見られて無言で素通り。
「(くっ…分かってたけどさ…)」
私の居た世界のみんなは挨拶すると、挨拶を返してくれるような優しい人達ばかりだったから、何だか負に落ちない。
この尾張の国の主、織田信長が私の知っている織田信長と合っているのか。でも、この前、五郎左さんが『織田上総信長様ですよ』っと言ってたのだから、同じ人物なのであろう。
歴史上の人物に会うなんてそうそうない。
「なんとか仲良くなれないかなぁ………はぁ…」
屋敷の傍らでのんびりしていると、
「殿と仲良くなりたいのか?」
「わっ!ビックリした」
「ハハ〜〜♪ビックリした?した?」
私の後から顔を逆さまに出してきたのは犬千代さん。本名は前田秀則。犬みたいに、いつもハシャイでいるから犬千代と付けられたらしい。
ふと、いつも一緒に居る二人が居ないことに気が付く
「あれ??犬千代さん、内蔵助さんと五郎左さんは?」
「ん?蔵は銃の手入れ〜♪五郎左はどっか行った〜。」
「そっか〜♪『ぐううぅ〜〜〜』………///」
ああぁ〜…これから楽しくお話ししようかと思ったのにぃ〜、
そんな私を観ていた犬千代さんはいきなり手を掴んで歩き出した。
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