その他

□その子は誰の子〇〇の子
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「御館様は何処に…」

家来の人はどこを探しても見つからない信長公の部屋に、再び向かっていた
そのときだった。
前方に見えるのは一本結いをして天狼を肩に載せている人物がいた。


居た!

その者は疲れた身体を再び動かして走り出した。


「信長様御無事で……......」


二時間掛けてようやく見つけた背がこちらに振り向かれた。


家来達の目が点になって固まっていた。


「頼基殿、殿は―――」


五郎左、犬千代、内蔵助も家来、頼基に続いて到着したものの…、その者達の壁には阻まれて前が見えない。


「あの……殿、そのお子は……」


後ろでは犬千代が巨体で跳ねている。それを無視して前に身体を乗り出した。


「……―!」


目の前には殿様。
――――と、三歳位の女の子。信長の片腕に抱かれながら目をくりっとさせて、不思議そうに此方を見ている。
内蔵助は、何だか状況が把握できたようで言葉を発しようとしたが、それに気付いた信長が内蔵助共々含めて見て、にやりと笑って答えた。


「俺の子だ」


「え」
「ええええぇええええぇえ―――!!!!


家来達は一斉に突風を受けたように後ろにのけぞる。その一集に巻き込まれた五郎左。

「冗談だ。」え?」


家来をからかう織田さん。家来達は唖然とし、信長はくくく…と手を口に当てて。押さえているのだろうが顔が思いっきり笑っている。


「五郎左、コイツに着替えを、後にまたそいつを俺のところに連れてこい」

「はい。(…ん?誰かに似てるような…」


殿から五郎左に女の子が預けられる。その様子をハラハラしながら眺める内蔵助…

(五郎左の奴気付かないのか…?)


「可愛いね〜♪」


犬千代は女の子のほっペをぷにぷに押している。


「内蔵助」

「は、はい!」


信長さまは手招きして内蔵助を呼んだ。内蔵助は冷や汗を掻いて、それを否する訳もなく部屋に入っていた。
家来達は『あの子は結局どこの子なんだ?』……?と疑問を持ったものの、疑問は疑問のままにしておこうと決めた。

多分、いや、内蔵助が部屋に呼び込まれたと言うことは何かしらあったのだろう。
問題はこいつらに任せることにした。


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