その他

□かさね、無謀な一日
前半
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「実は兄上が頼みたい事があると申して、家来の者にその事を池田殿に伝えて欲しいと頼んでいたのです」


「つ、つまりは…」

「お前は阿奴の代役となるな」

「ですが…」


信成様は何やら不安、な顔をして心配そうに視線を私に向けている。これは何かあるのだろうか…?しかし、殿様はふふん。とした態度をして、置いていた扇でトントン…と肩を叩いた。


「まぁ大した事ではない。それより信成、さっき話したこと」

「…!えぇ、心得ております。―ひそ(かさね殿、兄上の頼まれ事宜しくお願い致します)…では、信成これにて失礼致します」


さっきまでの不安な顔は一変し、兄に頼られた事が何より嬉しかったのか笑顔で去っていく信成さま。
残され私は背中に殿様のいや〜な視線を受ける羽目になっている。


(この…空間イヤだ…)
背中に感じるのは相変わらずな痛いって位の視線。このまま真っ正面向きたくない。けれども、無理だ。信長はきっと無視はしないだろう。
きっとその頼まれ事もイヤーイターくてキツーイ事なんだろうけど。こんな人を平気で殴る人だ、きっとド偉い頼み事なんだろう。

だから、池田さんは私をここに置いて行ったに違いない。
そうガクリとした気持ちでいたら後ろから声が聞こえた



「これを着てさっさと行くぞ」



「……は?」


多分見間違いではないだろう。

けれど、私が見た信長はいつものがっちりとした姿ではなく、髪を解き、薄い華布を被り女衣を纏った信長が立っていた。


第一章 終。




※どうでしたか?
初信長がらみ小説です(笑。
これからかさねちゃんはあの信長さんにイジられます…多分(おい。
どうか後半もお付きあい下さいませ…

2007/6/15
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