その他

□かさね、無謀な一日
前半
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その服を辿り、視界を上へ上へと持って行くと、そこに居たのは


「………」


「…ハッ!!)い、池田さん?!えと、……」


転ぶの助けてくれて有難う御座います。何て言葉持ち合わせていたのに、


「………(無表情)」


「ぁ、え?!ちょっとこ、このままですか?!」


またもや説明も無しに背中を引っ張られたまま何処かへと連れて行かれた。




ずザッ!


「ぶっ、!……っ〜ぃてて……」


(…降ろすのは優しくないのね。

)謝るでもなく、池田さんは襖戸をコンコンと二回軽く叩き、一礼するとその場を去っていってしまった。


「(え、ちょっと…置き去り…?!」



「入れ」


暫くして中から男の人の声。これは…聞き覚えある。池田さんがなぜ、この人の元に私を送り届けたか分からないが、取り合えず中に入ってみる事にした。



「失礼します……」

「あれ?貴女は…」


「…え?」



中に居たのは確かに織田信長だったけど、その前にもう一人。その人は私を見てニコニコしているのに対して、殿様は何だか驚いた顔をしていた。


「えと、確か…弟さんの信成さま…?」

「有り難う。名前覚えてくれたんだね、……?でも、今貴女と一緒に誰かいませんでしたか?」

「あぁ。池田さんですよ。何か分かりませんけど、……ここに置き去りにされました」


それを聞くと殿様は不機嫌な顔で(いつもそんな顔だけど)持っていた扇をパチンと折り畳んで、台の上に置いた。


「……阿奴め…」



それに続いて、弟さんは困った顔をしながらも私の質問に答えてくれた。
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