その他

□かさね、無謀な一日
前半
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「……。」

「だから、今私達の分のお皿だけでも洗わせて下さい。」



「……。……好きにしたら…」

「有り難う御座います!」


一生懸命磨いた。こっちの世界には洗剤もなければ、お湯で洗うことも早々ない。これだけでも大変な仕事だな、と思いながらお皿を洗った。



「……よし!……犬千代さ……」


お皿を桶の中に入れて、手を拭いて食堂に戻ると犬千代さんはそのまま寝ていた。


「………くぅ」

「ふふ…。本当に犬みたい」


寝息もくぅくぅと言っていて、起こそうかな?と思ったけど何だか起こすのが可哀想で、近くにあった布団らしき布を犬千代さんに掛けてあげた。
辺りを見渡すと、ご飯を作ってくれていた人達の姿が見当たらない。食堂から覗く空を観ると、大体十三時か十四時位かの空色になっていた。私は、犬千代さんの寝顔をもう一度伺って、頭を下げる。



(さっきは有り難う御座いました。犬千代さんのお陰でご飯食べれました)


そう思い伝え、食堂を出た。






食堂を出て、鍛練を続けようと自分の部屋に戻ろうか、そう。廊下を歩いていたら


ゴン!ばふっ!!


「ひゃっ!わぅ…っ」


何か大きな物にぶつかって後ろによろめきたつ。腰を打つだろうと予想していたのだが、そんな痛い感触もない。有るのは浮遊感。
恐る恐る目を開けてみると目の前は真っ黒。


(……ん?武服…?)



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