その他

□かさね、無謀な一日
前半
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「ちょ、えっ?…い、犬千代さん??!」

「飯食いに行こ〜」


成る程。と私は頷けた。しかし、食堂はあまり入った事はない。理由は私がよそ者だから警戒しているのだ。
だから、なるべくは我慢して、お昼に普及されるオニギリで補給する。後は、減りそうになったら、水か部屋に置いてあるお茶を飲んでお腹を満帆にする。


話かけた事あるけど、未だに仲良く出来ないで居る。



「ご飯お願いします〜♪」

「あら、前田さま。もう昼は過ぎてますのよ」

「いいのよこの方は♪いっぱい食べてちょうだい」

「ハハ〜♪あんがと〜〜」



いいなぁ…。
ご飯……じゃなくって仲良く出来て。

相変わらず私のお腹はぐぅぐぅ言ってるけど、今私が間に入ったらきっと場が暗くなっちゃうよ。やっぱり直ぐには仲良く出来ないのかな………


私は、何だか入り辛くてこてん…と入口に寄り掛かってお腹を擦っていた。



「食わないの?一緒に食べよ?」

「い、犬千代さん……」

「かたね??」

かさねです……しかも顔にご飯粒ついてますよ?いつの間にか茶碗と箸を両手に持って側に来ていた犬千代さんは、不思議な顔で私を伺って居る。
ちらっと食堂の中を覗くと、私が来ていることに気付いていたのかヒソヒソと話し込んでいた。

あぁ。まただ…いっその事、断ってお茶でも口にしていた方がいいかも知れない。そう思ってうつ向いていた顔を上げて、大丈夫だと分かる位の笑顔で話そうと思った。


「あの、犬千代さん。私やっぱりご飯い―…っ」


口ごもった。目を開けたらいらないと言えなくなってしまった。
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