東方 小説

□店内にて 中編
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「それじゃぁ私から歌おうかしら!」
幽々子が番号を入力し、聞き覚えのあるメロディが流れ出した。


曲名〜【幽華の蕾、春日に揺れて】〜


『季は巡り花開く
  思い巡り花は咲く〜』

それはまさに美声でした。
美しいを通り越した【美声】
幽々子さま、歌・・・苦手だったんですね・・・







「妖夢〜どうだった?」
「すばらしい【美声】でした」
「美声!?」
妖夢の言葉に、魔理沙が驚いた。
「美声を通り越してただろう?」
「あら、あなたに歌のセンスが分かるの?」
「点数を見れば分かるんじゃないか?」
画面を見ると、点数がゆっくりと現れた。


点数・・・30点


キィィィィン!
幽々子の手からマイクが落ちた。その衝撃で、室内に機械音が響く。

「ふ、ふふ・・・機械も私の歌のセンスは分からなかったようね」
全員が耳を塞ぐ中、幽々子は小さく呟いた。泣きそうになりながら・・・







二番目


「次は私ですか。幽々子さまの分まで頑張ります!」
幽々子の分まで・・・妖夢は勢いよく椅子から下りると、床に落ちるマイクを拾い、


【頭をテーブルにぶつけた】


「・・・?」
視界が・・・おかしい?
よく見ると、あるはずの位置にテーブルが無かった。
腰の辺りにあったはずのテーブルは、自分の額の辺りにあった。
「あ・・・れ?」
身長が・・・
「ええ―――!?」


縮んでいた。


「幽々子さま。身長が・・・」
「あぁ、それね面白そうだったからちょっと境界弄ってみたの。だって幽々子泣きそうだったから。誰かが面白いことをしたら笑うかと思って・・・」
妖夢の質問に答えたのは、幽々子ではなく紫だった。
「だからって何で私が・・・」
「まぁまぁいいじゃない。それより早く歌いなさい。曲入れておいたから」
「ええ!?」
流されるままである。


曲名〜【桜のひと】〜

「うぅ・・・流されるまま・・・」
「妖夢ファイトー」
「幽々子さま〜」

『春の日鳴らす 
   幼いこの胸響く音
 いつか会える暖かい空の下』


点数85点


「やりました!幽々子さま・・・?」
高得点に喜ぶ妖夢に対し幽々子は不満なのか両頬を可愛らしく膨らませていた。
「おめでとう」
淡々と、ただ一言そう言っただけだった。




幽々子・妖夢チーム
合計113点
現在一位

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