物語

□お弁当大作戦!
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・・・まさかこれほどとは。
料理を教え始めてから約一週間。やっと卵焼きができるようになった。
これでまずは一段落だな。しかし、
・・・最近、何だかサイの目が刺さる。
何故だろう?

その日の夜、とうとうシンはサイに呼び出された。

「シン。いつもセトと朝から夜まで何やってんの?」
「・・・勉強を教えてるんだ」
「リビングで?」
「・・・」

さて、どうしよう。セトには誰にも知られないように。と言われているが・・・
「パルム、シンが何か隠している確率は?」
「99.9%のち0.1%は私達の勘違いです」
卑怯だ!!
女というのはこんなにも怖いものだったのか。
本当に言葉というのは恐ろしい。
「はあ、・・・実はだ」

結局、シンはサイに本当のことを伝えた。

「え、セトも?」
「セトもとは?」
「ええっと」

話によると、どうやらレンも弁当作りをしているらしい。全く、この似た者夫婦は・・・

「分かったところでこっちも頑張らなくちゃね。そっちはどうなの」
「一週間かけて卵焼き一つ」
「それはまた・・・まぁ頑張ってね」
そう言うと、サイはコーヒーを一つシンの目の前に置いた。
「煎れたてよ?」
「ははっ・・・ありがとう」
シンは静にカップに口を付けた。

(私、空気です)
一方のパルム(PF)はしょんぼりしていた。


それから、数日が経ちそして・・・



「できた!ありがとうお父さん」
「さぁ、弁当ができたなら学校に行きなさい」

「できた!ありがとうサイ」
「さぁ、早く学校に行きなさい」

『行ってきます!!』

学校のチャイムがなる。お昼休みだ。
セトはゆっくりと立ち上がった。
かわいらしく包まれたお弁当を持って。



学校のチャイムがなる。お昼休みだ。
レンはすかさず立ち上がった。
しっかりと包まれたお弁当を持って。

『あの。お昼、一緒に・・・どう?』

『え』

「れ、レンお弁当ってもしかして最近台所によくいたのは」
「せ、セトこそ・・・クスッ」
「ハハッ」

二人は笑う。大声で。
−−−最近、レンが離れているような気がした。なんだ、そういう事だったのか。
−−−最近、セトが遠くにいるような気がした。なんだ、そういう事だったのか。

「ねぇ、美味しい?」
「うん。美味しいよ」
「セトのも・・・美味しいよ」

雲が流れる。音を出さず。二人は静に風に揺られていた。
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