物語

□お弁当大作戦!
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朝7時。休日で、いつも遅く帰っているシンは、重い瞼を何度も開け閉めしていた。
テーブルの上には、サイが入れたと思われるコーヒーが一つ。
「とりあえず。お前がどれぐらい料理が出来るのか調べてみよう。まずは卵焼きだな」
「う、うん」
ぎこちない動作をしながら、セトは台所へと向かっていった。

まずはまたごを。・・・割る?しまった武器がない。これじゃあ割れないよ。
・・・あ

セトは周りを見回した。すると、床の隅に蛍が飛んでいた。

木の枝を見つけました

「よし、これで」
「待った」
突然声を出したのはシンだった。
「お前・・・何で卵を割る気だ?」
「何って・・・木の枝で・・・」
「卵は敵じゃないぞ。こうやって割るんだ」
シンは卵を一つ取ると、数回コンコンと机に叩き付け、付いたヒビに指を入れ、ゆっくりと左右に引いた。
パカッという軽い音を立て、卵の中から黄身が出てきた。
「すごいや!父さん!」
たまには料理を手伝わせるべきだった。
まさか、卵で目を輝かせるとは・・・
「さぁ、ここから一人でやってみろ」
「うん!」
箸で黄身を潰し掻き混ぜる。人によってここに砂糖を入れたりする。ここは人のセンスが出るところだ。
「さて」
セトが横にある赤い物体に手を伸ばす。
「待て待て待て。赤い液体を入れてどうする!?何の攻撃力を上げる気だ!?」
「え、た、卵の・・・?」
上げてどうする!?
「はぁ、普通は砂糖とかだろう」
「でも、インパクトがあるほうが・・・」
「ドッキリすぎるだろ!本編なみにドッキリだよ?!」
半ば息を荒くしているシン。歳だろうか?
「う、じゃあ砂糖を入れるよ」
「量はこれぐらいだ」
「うん」
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