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□『キミの絆創膏』
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「このブランコは、俺が先に乗るんだ!!」

「いいや!俺だ!!」



食満と文次郎が公園のブランコの取り合いをしています

食満と文次郎は、同じ幼稚園なのに毎日顔を合わせるとケンカばかりしていました



「やるかぁ?!」


「のぞむところだ!!」





『キミの絆創膏』





時刻は夕方
よい子は、お家に帰る時間です

「と〜め〜…どこ〜」



食満と同じクラスの伊作がやってきました



「なんだよ伊作」


「もう!仙蔵から聞いたよ?!また文次郎とケンカしたんでしょ?」



仙蔵は文次郎と同じクラスの男の子
伊作より一足早くに来て文次郎を連れて帰っていました



「だってアイツが…!」


「言い訳は聞かない!…あ〜あ、膝がすりむけてる」


「怪我は、男の勲章なんだ!」



やれやれ、と伊作は思いながらポケットから絆創膏を取り出した



「ほら、足出して」


「ん…」



ぺちょ



「はい、出来たー」


「あ、ありがとう…」


「どういたしまして。それじゃあ…帰ろうか」


「…おう!」




……………

(うわぁ!!)

(伊作?!)

ズジャア!!

(…うぅ)

(い、伊作!泣くな!男だろ?!)

(うん…泣かないぃぃ…)

(ほら!痛いの痛いの飛んでいけ!!)



(二人は仲良し!)




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