クリスマス小説

□クリスマスverタカくく
1ページ/1ページ


【クリスマスタカくくver】


(ごめんね兵助くん)
(今日の委員会にはでれないのぉ)
(大切な用事があるんだ)



「…ふん」




ヒソヒソ…
「(久々知先輩どうしたんですか?)」


ヒソヒソ…
「(タカ丸さんが居ないからイライラしてるんだろ)」



委員会の仕事で火薬倉庫の点検をしていた下級生たちは
委員長代理である久々知の放つイライラオーラをひしひしと感じていた



(別に私は、斎藤のことなんかでイライラしてるわけじゃない!)



後輩達のヒソヒソ話に心の中でツッコむ



(…斎藤の大事な用ってなんだろう?)



たしか今日はクリスマスとかいう、めでたい日で大切な人と一緒に祝うとかどうとか…って昔三郎が言ってたな



大切な人…か





………




「よし、これにて今日の委員会は終了だ」


「「お疲れ様でしたー!」」



さて、下級生たちも帰らせたし私も長屋に帰るか



「…―すけくーん…―ってー」


ぴくっ
「(この声は…)」


「兵助くーん!待ってー!!」


聞き覚えのある声に振り向くと視線の先に



「斎藤さん!」



はぁはぁと息を切らせて走って現れたのは、今日私を悩ませていた斎藤タカ丸だった



「ハァ…よかったぁ…まだ、ここにいて」



…どうして斎藤が息を切らせて私の前に居るんだ?これじゃあ、まるで…



「斎藤は…私に会いにきたのか?」



そんなことない。だって斎藤は大事な用があるんだ…と。だから息を切らせてまで私に会いになんか…ッ



「うん!兵助くんに会いたかったんだ!」


「だって…だって!大事な用があるからって…だから委員会にもこれないって…」


「うん!大事な用っていうのはね…これ!」



斎藤を見ていたせいで気づかなかったが、斎藤の手には中くらいの大きさのお椀に蓋がされていた



「………なんだこれ?」


「ふっふっふ…外見だけじゃ解らないでしょう?中身は…ジャーン!」



そう無駄に大きいリアクションで、蓋をとると…



「これは!?最近町で噂の絶品豆腐!!」


「えへへへ…はい!クリスマスプレゼント!!」


「くりすますぷれぜんと…?」
 
 
「うん!クリスマスにする贈り物のことだよ!今日はクリスマスだからねぇ♪」



そうか…斎藤はコレをわざわざ私にあげるために買いに行っていたのか…



「ありがとう…でも私は斎藤に何もやれてないし…」


「んー…それじゃあねぇ、今日僕と一緒に過ごす。がいいな!」



(クリスマスってのは大切な相手とすごすもんだぞ兵助)



「(そうだな…三郎)ああ、一緒に湯豆腐でも食べようか!」



……………



(ところでこの豆腐結構崩れてるな)


(ぎくぅ!…さっき走った時に崩れてちゃったみたいぃ)


(ふふ…それだけ急いで私に会いに来てくれたんだろ?ありがとうな)


(きゅーん…兵助くん好きー!)

(はいはい…)




.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]