詩2冊目

□NO.41
1ページ/1ページ

この世界が好きだった

陽が差し、人が生き、木々がざわめき、風が走り抜ける

僕はずっとその全てに憧れていた


絶えず動き続けること

変化があると言うことに


僕は何もかもが静止した世界にずっといる

動き続ける世界の中で

身動き一つ出来ない小さな小さな檻に一人で

変わりたくて
変われなくて

動きたくて
動けなくて

護りたいものの一つさえ
護れずに

ただスライドのように外界だけがすり替えられる


何かを掴もうと
手を握っても

何もなくて

あったと思えばいつの間にか無くなってる


ボクハナニ?

ボクハダレ?

ドウシテココニイル?



ただ一人この檻で
出るはずもない答えを

この身が朽ちるまで
延々考え続ける


いや、答えは出ている

僕は創造主のロボット


僕がここにあるのは創造主の暇潰し


いずれは棄てられ

何にもなれない鉄屑となり錆びるが運命


そして、徐々に酸化は始まっている

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ