誰がための詩〜もう一つの宝物〜
□びっくり!三つ子ちゃん
1ページ/2ページ
1
私、日奈森 あむ。
聖夜学園小に通う小学5年生。
ここは児童福祉庁クローン育成所。
私は、今、ここでクローン育成に必要な資格取得のテストの真っ最中。
『日奈森さん、テスト終了よ。』
「ふぅ・・・やっと終わった・・・。」
私は、シミュレーションルームから出て、教室に戻る。
「はぁ・・・。疲れた・・・。」
「お疲れさま、あむちゃん。どうだった?」
席に着いてすぐに、隣の席のなでしこが声をかける。
「あぁ、なでしこか・・・テストって疲れるねぇ・・・。」
「えぇ、私もあのテストは難しいと思うわ。だけどね、あむちゃん。」
だらりと机にへたれている私になでしこは真剣な口調で話す。
「あそこまでやらないと子供を育てる事は出来ないのよ!育てる親やその環境で子供の性格まで決まるんだから!」
「それ、先生も言ってた・・・。」
「わかってくれるまで何度だって言うわよ!」
なでしこ、気合い入り過ぎ・・・。
「わかってるよ。ありがとう。」
「藤咲さん、日奈森さん。」
「あっ、唯世君、テストもう終わったの?」
「うん。」
・
―それから、1ヶ月後・・・。
「ふ〜ん・・・クローンを育てるのも大変なんだなぁ・・・。あ〜も〜ぅ!面倒くさい!」