0×ナイフ
□月しか知らない僕ら
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俺とそいつとの出会いは、妙に変なものだった…。
―「ったくよ!ここは、古本を捨てる場所じゃねぇっつうの!まぁ、貴重な現金収入でもあるけどな…。」
俺は、この日も古本が大量に入った紙袋を両腕に抱えて古本屋に向かっている。
「ふぅ…重てぇ…古本屋、到着っと。」
俺は、いつものように古本をレジカウンターに預け、古本を一冊ずつ見る店員のじいさんと他愛のない話をする。
ここだけの話、このじいさんは真面目そうに見えて、かなりの度助平で、エロ本一冊につき、100円で買い取ってくれる。
今日も例にもれず、持って来た古本の半分以上はエロ本だった。
「マジでか!2万円!やった!おじちゃん、気前良すぎ!」
おっと、喜んでばかりはいられねぇ!
書類にサインしねぇとな。
「名前は…っと、住所は…これでよしっと。そんじゃ、またな。」
俺は、じいさんに手を振って古本屋を後にした。
そして、俺の寝床の近くにあるコンビニで今日の飯を買う。
「くぅ〜っ!うんめぇ!最高!」
こうして、コンビニ袋を両腕に抱えた俺は、寝床に帰った。
・
寝床に袋を置きサッカーボール片手に寝床に続く道の途中にある公園に行った。
―そこで、俺は、そいつと出会った。
そいつは、公衆電話ボックスの隣にある自販機の前で困り果てていた。
「どうしよう…。困ったなぁ…。」
「どうしたんだ?こんなところで?」
「えっ!?」