嘆きと祈りの詩

□リトルプリンス
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ヒューズ発電所の停電騒動から、数日。

エベルシティは、いつもの賑わいを取り戻していた。

そんな平穏な毎日が続くある日のアジトでの出来事。

Re『ちょっ…いやぁーっ!』

家事をしていた僕とゼファー兄さんは、リーンベルさんの悲鳴を聞き、リビングに駆け込んだ。

Z「リーンベル!…プッ…ダハハハハッ!」

「兄さん…笑っちゃダメですよ…。」

キセキ『だが、唯世。笑うなというのが無理なのではないか?ダーハハハハッ!』

「キセキ!リーンベルさん?」

Re「…これは、なんなのよぉ…。」



『限りない美徳と大いなる何か』

Re「ねぇ、唯世、本当にこの顔、誰にも見られてない?」

「大丈夫ですよ。顔は見られてません。」

でも…街行く人たちがみんな、僕たち4人の方を向いています。(彼女を指さし、何か言っている人も…。)

今のリーンベルさんは、サングラスをかけ頭に頭巾を被っているのだが、それでも、顔のお花のペイントは隠し切れていないため、かなり目立っていた。

V「大丈夫だって、俺のコーディネートは完璧!今のお前は、誰もが振り向く絶世の美女ってことだ!もっと自信を持て、自信を!」

Z「まぁ…街中をパンツ一丁で歩くより遥かにマシだよな…プクク…。」

Re「ゼファー!」

「兄さん!」

Z「…はい。」

僕とリーンベルさんの一喝で兄さんは少し恐縮してしまいました。(因みに、パンツ一丁の話はあくまで喩え話で、実際はしていません。)

カーディナル・ガリジャーノン邸宅前。

V「ここからは、お前と唯世の二人だけで行って来い。」

Re「…でも…。」

Z「…プッ!」

V「変わるって決めたんだろう?」

「リーンベルさん…行きましょう。これ以上お待たせするとクライアントがご機嫌を損ねてしまいますよ。行って来ます。」

Re「…あうぅ…。」

僕は、彼女の手をとり、ガリジャーノン邸宅に入った。

使用人の案内で中に入ったのだけど、室内は、真っ暗だった。

「失礼します…。」

―パチンッ!

僕たちが室内に入ったのと同時に、天井の照明灯が一斉に点灯し、奥の方に座っている初老の男性が僕たちにゆっくり、手招きをしていた。

男性は、リーンベルちゃんを見るなり“なんじゃこりゃ”を連発し
彼がカーディナル・ガリジャーノンだった。

G「私としたことが、少々取り乱してしまったようだ…。ところで、クリエイティブディレクターはおるかね?」

Re「はい?」

G「おるなら、呼びたまえ。」

「はい。連れてきます。」

僕は、外で待っているヴァシュロンさんたちを呼んだ。

V「まさか、俺たちまでお目通りが叶うとはな…。」

Z「一体、中で何があったわけ?」

「詳しいことは、聞かないで下さい。」
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