嘆きと祈りの詩

□ファーストエンド
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私立聖夜学園小学校。

―キンコンカンコーン♪
キーンコーンカーンコーン♪

あむ「急いで、唯世君!授業が始まっちゃうよ!」

「うん!う…わあっ!」

僕は、あむちゃんとロイヤルガーデンから教室に向かう階段

あむ「唯世君!」

キセキ『唯世!』

僕は、階段を下りている男子生徒の肩にぶつかり、階段から落ちた。

「うわぁーっ!」

体が猛スピードで落ちている…!

もうダメだ!

僕は、咄嗟にキセキを掴んだ

「えっ!」

それは、大きくて深い…まるで奈落の底に落ちているように体が浮上しているのか落下しているのか解らない。

時間が早送りのように進んで行く…。

僕は、一体、どこに落ちているのだろう…?

僕の意識は、ここで途切れた…。

『帰還』

―キセキ『…だせ!しっかりしろ!』

「うっ…。」

キセキ『大丈夫か!?唯世!』

「うん。大丈夫だよ。…えっ!ここは…どこ!」

僕は、上半身を起こし、
自分の目を疑った。

無数の歯車が太陽の無い鉛色の空に浮かんでいる。

ここは、テーマパーク?

それとも映画の撮影現場?

だとしたら、この町の人たちはどうして、こんなにも絶望的な目をして歩いているんだ?

ここは、とても冷たい世界なんだ。

―ゴゴゴゴゴゴ…

突然、町全体が地響きと轟音を立てて動き出し、一回転して停まった。

「うわぁっ!地震!?」

町人「
あんた、見かけない顔だね?上の方から来たのかい?」

「えっ?えっと…。」

町人「そうかい。そうかい。まだこんなに小さいのに親に捨てられたんだね。でも、私には何もしてやれないんだ…何もね…。」

おばあさんは、僕に何度もごめんねと謝ってフラフラと覚束無い足取りで歩いて行った。

キセキ『なぁ、唯世…ここは、どこだ?』

「そんなこと、僕が聞きたいよ…。」

―グゥ〜っ…。

「…お腹空いたね。何か食べ物を買わないと…。」

キセキ『おい!待て、唯世!』

僕は持っていた僅かなお金(と言ってもこの世界では使えないみたいだったので、それを“金属”として売ってお金に替えてもらった。)で食べ物を買った。

食べ物屋さんが“町中で物乞いされても絶対にやるな”ときつく言われたのだけど…。

食べ物屋さんを出てから、町の人の冷たい目線が僕に向けられていることが気になった。

老人「お前さん…今、店から出てただろう?全部とは言わん…ほんの少しだけ、わしに分けてくれんか?」

しばらく歩いているとげっそりと痩せ、骨と皮膚だけになったご老人に声をかけられた。

“物乞いをされても絶対にやるな!”

「えっ…と、ちょっと待ってください…。」

僕は、食べ物屋さんの言っていたことを思い出しながら、焦って袋を探る。

中には柔らかい白パンが3つと小さな牛乳瓶、それと白い布で丁寧に包まれた物が入っていた。

それを見た僕は愕然とした。

布に包まれていたのは、拳銃だった。
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