嘆きと祈りの詩
□リトルプリンス
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なんとか神像を守り、カリギュラを倒した僕たちは、無事にアトリエに到着した。
Re「…何が、神よ!」
V「おっと!“物凄く大きいけど、本当は、ちっぽけなもの”…わかるか?」
Re「えっ?」
V「ゆっくり考えな。二人っきりで…。おい、唯世、ボタン。」
「あっ、はい。」
エレベーターは、ゆっくり上昇していく。
V「唯世。」
「はい?」
V「お前にだけ、特別ヒント。お前の“なりたい自分”ってなんだ?」
「えっ…?あっ!」
ヴァシュロンさんは、僕の反応でふっと鼻で笑った。
「でも、僕は…。」
僕は、ふと、上を見上げ“あの時”のことを思い出した。
僕の瞳に映ったのは、神像の…。
―数年前…。
礼拝堂らしき部屋一面に広がる血の海…。
、
部屋中に転がる無数の死体…。
部屋中に充満して鼻をつく硝煙の匂い…。
?『神様って、感情がないの…?』
その時、彼の冷たい言葉…。
放たれる無数の銃弾。
『救われるべき人が救われないのは、何故?』
・
『死んだってことは、死んでもいいって思ったんだよね…。』
彼は、淡々と語りながらゆっくりと僕に近づいて来る。
『それでも、神の名のもとに俺を裁くのかい…?』
その時の彼は…
ゼファー兄さんだ。
・
―「ゼファー兄さんは、どうして、あの時…僕だけ…?」
V「あいつにもあいつなりの考えがあったんじゃねぇか?」
「そうでしょうか…?」
V「やっぱり、二人だけの方が楽なのかねぇ…?」
「えっ?」
丁度いいタイミングで、ゼファー兄さんとリーンベルさんが上がって来た。
V「…答え、“それぞれの世界”」
Re「…花びら…!」
V「自分の世界観だけで全てを判断しようとするから、過ちを犯す。」
Re「これは、どこから飛んで来るの?」
V「そう。その気持ちが大事。可能性を忘れない。」
Re「ヴァシュロンは、外の世界を見たことがあるの?」
V「ないね。」
Re「“その気持ちが大事”なのに?」
V「お前は、ここから、飛び降りれるのか?」
Re「出来ない…。」
V「どうして?」
Re「意味がないから…今は。」
V「“世界が狭すぎる”だろ?」
Re「確かに…それはそうだけど…。」
Z「へっ!俺は、何度だってやってやるよ!」
「兄さん!ダメ!」
V「バーカ!だから、お前はガキなんだよ!」
・
Z「…帰る!」
V「お前は、無謀過ぎ!少しは、後先考えろ!」
Re「でも、その無謀があったから、今の私がいるのよね…。」
「そうですね。ん?あっ!」
Re「待ってよぉ!」
「置いて行くなんて、酷いです!」