次女の短編
□君にプレゼント
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「あ、渋谷。こっちこっち!」
村田と待ち合わせしたのは、朝10時にハチ公前。
約束の時間5分前につくと、もうそこには村田が待っていた。
「おう、村田!待った?」
「いや、僕も1・2分前に来たとこだよ。」
そう思わず聞いてから ふと気がついて赤くなる。
…なんか今のって恋人同士の台詞っぽくねぇ?
まぁ、俺と村田はほんとに付き合ってる訳だし、間違いではないんだけどな。
…でも、あれからぜんぜん進展してないしな・・・
「っ渋谷!」そんなことをぐるぐる考えていると、急に腕を引かれて村田の胸に引き寄せられる。
いつの間にか歩き出していたらしい。
「あぶないなぁ、もう少しで自転車に轢かれるところだったよ?」
前を見て歩きなよね、と言われ大人しく頷く。
けれど、その大人しさとは裏腹に俺の心臓は、うるさいぐらいにドキドキと高鳴っていた。