次女の短編
□本命ちょこれいと。
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「はい、ヨザック。どうぞ!」
「これは…?」
ヨザックにオレンジのリボンがかかった小さな箱を渡すと
案の定「?」を浮かべられた。
「それはチョコレートだよ。バレンタインチョコレート!」
「バレンタイン…?」
そう!今日は2月14日のバレンタインデー!
こっちにはそんな風習はないので彼にバレンタインの説明をすると、目を輝かせて喜んでくれた。
「猊下、大切に頂きますね。
ああ、なんだかグリ江もバレンタインチョコ、作りたくなっちゃったわぁ〜。
ちょっくら行ってきますvV」
そう言って厨房の方に駆けていく。
ヨザックの格好で、グリ江ちゃんの走り方で。
…彼の作ったチョコは、ちょっと想像したくない。
ちなみに彼にあげたのは口紅型のチョコ。
頭を振って悪い残像を振り払って、他の人たちにも渡しにいく。