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□双子座流星群
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「ふたござりゅうせいぐん?」
夕食のあと、ジェームズは作戦会議と称して弟たちを子供部屋に呼んだ。
もっとも、会議とは名ばかりでジェームズの中ではもう計画が出来上がっているようだった。
「ほんとなのかよ?」
「あぁ、新聞にも書いてあった。」
「ねぇ、りゅうせいぐんってなぁに?」
「たくさんの流れ星って事だよ。」
「たくさんっ?」
「うん。」
わぁっと歓声を上げると、リーマスはジェームズの腕にぎゅうと抱き付いた。
今夜流星が見られるのはジェームズの力なわけじゃなくて、ジェームズはただニュースを見てそれを知っていただけ。
わかっているのにシリウスには、流星群そのものをジェームズが作り出したように感じられて、こんな風にリーマスを笑わせられる兄貴はやっぱりすごいなぁと思った。
「今夜は大冒険だよリーマス。」
「ぼうけん?」
「そ。こっそりうちを抜け出すからね?」
「抜け出す?!」
「何のために今作戦会議してると思ってるんだよシリウス。流星群を見に行きたいなんてお父さんたちが許すと思うか?」
「あ…。」
にやりと笑って見せるジェームズに、シリウスは感心するしかない。
普段から兄弟揃って悪戯ばかりしているが、シリウスはいつだってジェームズのアイディアにはかなわないのだ。