BOOK
□2・14
1ﾍﾟｰｼﾞ/6ﾍﾟｰｼﾞ
2月14日、バレンタインデー。ありったけの勇気を振り絞ってチョコレートを渡しにやって来る、そんな女の子には今までもこれからも縁がないと思っていたんだけど…
オレ、天野銀次、モテ期到来みたいです…!
「いーつまでデレデレしてんだよっ！」
「んあっ!！蛮ちゃん…急に殴らないでよ…!」
「テメーが絞まりのねぇ顔してやがるからだっ!」
「いいじゃんか別に!嬉しいんだからさ、笑ってたって。蛮ちゃん、オレよりチョコ貰えなかったから、妬んでるんでしょ！!」
「なッ…!」
そうなのです。なんとオレは今年、蛮ちゃんより３つも多くチョコをGetしたのです…!!
毎年、オレたちは義理チョコってことで、夏実ちゃん、レナちゃん、マドカちゃん、へヴンさん、マリーアさん、卑弥呼ちゃんからチョコを頂いてるのですが…
今年はそれに加えて、オレだけは火生留と、舞矢ちゃんと、飛蜘蛛ちゃんにチョコレート(それもきっと本命みたいなんだよ〜〜!)を頂いたのです!
蛮ちゃんは、いつもはクールな感じですが、実はこういう男のスターダスト？ステータスだっけ？？に関わるようなことには敏感なのです！
毎年オレと同じだけの数、同じ形のチョコを貰ってるにも関わらず、
「卑弥呼から俺様へのチョコは本命に違いないからテメェのとは重みが違うんだよ!」とか、
「へヴンも実は俺様に惚れてんじゃねーの、乳揉んでも、こーやってチョコ寄越したりしてよー。ったく…」とか
…本当に勝手なこと言ってオレよりモテるんだーってことを主張してきたりしていたのです。…負けず嫌いなのです。
…だけど!今回は明らかにオレの勝ちだし!
へヴンさんには柾って言う大本命がいるわけだし!
卑弥呼ちゃんだって、蛮ちゃんの実の妹だったわけで…
「蛮ちゃんは、口悪いし、セクハラするからモテないんだよ〜？バトルは世界最強かもしんないけどさ、やっぱり女の子には優しさが大事なんだよ!」
「…テメェ…言わせておけばズケズケと…」
わわわ、ちょっと調子に乗りすぎちょったかも…!
なんか微妙に凹んでる蛮ちゃんが可愛くて、ついからかっちゃっただけなんだけどな…。
ハッ!蛮ちゃんの後ろに蛇さんが見える気がするのです…ヤバいです…!
「俺様のドコが悪いって…？銀次ィ…もっぺん言ってみろや。」
「や、や、全っ然悪くない!カッコイイよ宇宙一だよ、蛮ちゃんは…!」