Dear you 〜大切な君へ〜
□act.39 裏切りのトーマ、隠された真意
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「デジモン達の痛みを知れ！！」
優烏がそう叫ぶとセラフィモンは残り僅かとなったギズモン達に容赦なく攻撃をする。
「セブンスヘブンズ！！」
容赦のない一撃がギズモン達を掻き消し、一掃する。
圧倒的なセラフィモンの力。
その力は怒りや憎しみと言った負の感情から生まれるものではなかった。
エルドラディモンの言葉の真意を悟ったからこそ優烏のデジソウルはパタモンをセラフィモンへと進化させたのだ。
「私は憎しみに囚われたりしない。
憎しみでは犠牲になったデジモン達の魂を救う事は出来ないんだから！」
優烏は胸元で両手を組み祈るような格好をする。
その姿はまるで本物の女神のように神々しく綺麗だった。
「遂に片割れの自我は完全に覚醒したか･･･」
優烏の姿をバンチョーレオモンは遠くから見つめていた。
腕組みをしながら一連の様子を見ていた彼の表情は少し険しい。
「だが、その調子ではお前自身が危険だぞ･･･優烏」
バンチョーレオモンの忠告が優烏に届く事は無かった･･･―――。