夢を見た…
世界で私一人に
なるような
そんな夢


怖かった訳ではない…
ただなんとなく
あまりにも漠然とした
不安が胸によぎった



一人になりたいなんて
いつも思っているくせに
実際独りぼっちになれば
泣き出してしまいたく
なるのだから
逆に笑えてしまう…



唯々
貴方を探して歩き回った
まるで迷子の子供みたいに
泣きじゃくりながら…



貴方を見つける事が
出来たのか
はたまた
見つける事ができなかったのか
そこから先は覚えていない…



私がこの夢を拒絶したから








だって…
貴方のいない世界は
モノクロになったようで
一刻も早く
鮮明な世界へと
戻りたくて
また泣いた







目を覚ませば貴方が
隣で眠っている事を
確認して、安心して
溢れる涙もそのままに
貴方の寝顔を
見つめていた



そんな時貴方は
私が起きた気配に
気づいたのか
目を覚まし
泣いてる私を見て
驚いていたね




『どうしたの』だとか
『大丈夫か』とか、
貴方だってそんな
ありふれた言葉を
口にするんだろうな
と思えば


何も言わずに
抱きしめてくれたから、
私はその温もりに
安心して
馬鹿みたいに
また泣いて、



少し落ち着けば、
貴方のシャツへと
染み込んだ
涙で出来た染みを
唯ぼんやりと眺めていた


頭上から私を呼ぶ声に
顔をあげると、
貴方は困ったような顔をして
ただ一言
『一生そばにいる』
とだけ呟いて、
未だ私を
抱きしめたままの
腕に力を込めた



白昼夢今宵散る


言葉にできない私の
全てを理解してくれた
貴方の優しさに
また涙を流した




*


一言どうぞ



[TOPへ]
[カスタマイズ]

©フォレストページ