LOCK ON YOUR HEART4

□天使になりたい−Y
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Tシャツから剥き出しの陽に焼けた腕が余計に痛々しかった。


「ほい、おわり」

「さーんきゅ」

「さすがに自分で包帯は巻けないのねー」

「さすがにねー」


肘に巻かれた包帯をサラっと撫でて、元マネが居て助かったー、と、浜田は笑う。

あーなんか着るもんねーかなー、あいつらコレ見たらヒソーな顔しちゃうからなー、特にキャプテン、と、浜田は笑う。


「たかが体育の授業にハリキリすぎ」

「オトコには負けらんねー時ってのがあるんですー」


浜田は笑う。

屋上で。
Tシャツにジーンズで。
気持ちいい風に吹かれて。

誰よりも自由そうで。


「で?勝ちましたか?」

「ったりまえじゃん!おめー俺の何を見てきたんだっつの」


でも誰よりも不自由そうに、笑う。


「帰るときもっかい湿布したほうがいいよ」

「んー。」


ごうっといきなりの突風に吹かれて、浜田の顔が見えなくなって、
あたしは不安になる。



天使になりたい
(せめて)
(この人がいつまでも)
(勝ち続けられるように)





080625.
天使シリーズ第四弾。やると思っただろう良郎編(笑)皆様の期待を裏切らない梧です(笑)

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