短編
□今日は何の日？
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今日、起きて下に行ったら、親父に「おめでとう」と言われた。
「……」
「おいおい、どうしたんだよ武。せっかくの誕生日に」
「…誕生日？」
そこでようやく、山本は思い至る。今日が何の日か。
「おいおい、しょうがねぇなあ」
「あ、いや…わりぃ」
「ま、最近忙しかったようだしな。仕方ねえか」
その言葉に、山本は苦笑した。
「かもな」
新入部員獲得にも忙しいし。
「ほら、のんびりしてると遅れるぞ」
「あ、やべ」
朝食を食べて、さあ出かけようと言ったとき、ケータイにメールが来た。
「……？」
開けてみると、それはツナからで、用事があるから先に行く、というような内容だった。
「どうした？」
「いや……、ツナたちが、先に行くってさ」
「それは残念だなあ」
「ま、ツナたちにも事情があるんだろうしな」
「ま、頑張って行ってこい」
「おう。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
こうして、山本は今日も学校に向かったのだった。