天上界生活模様
□どっちもどっちだから!
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「はぁ、そろそろ地上界に雨を降らせないと」
天上界の美麗宮でフドゥルはめんどくさそうに呟いた。
一緒にお茶を飲んでいたレボーベルとトリストがそれに反応する。
「そなたも大変だな」
レボーベルは本当に大変だと思っているのか疑わしい口ぶりだ。
「でも地上界の人間のためですからしっかり降らしてあげてくださいね」
トリストはどこか不安そうに言う。
「分かってるわ。私が雨を降らさないと地上界が干上がってしまうものね」
ふぅ、フドゥルは盛大なため息をついた。
「じゃあそろそろおいとまさせてもらうわ。後回しにすると忘れちゃうから」
そう言うとフドゥルは席を立った。
「待て」
静かにレボーベルがフドゥルを呼び止めた。
トリストがどうしたのかレボーベルを見る。
同じようにフドゥルも振り返りレボーベルを見た。
「そなたはどのように雨を降らせるのだ?我にやり方を見せてはくれぬか?」
それにトリストも頷いた。
「そうですね。私も見てみたいです」
そう言う二神にフドゥルは快く頷いた。
まさかこの後に大変な事がおこるなど誰も予想していなかった。