天上界生活模様
□まずはやるべき事があるだろう?
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イゼルは普段通り忙しく執務室で働いていた。
死の精霊も同じように忙しく動き回っている。
「ねぇ、そっちの書類まだ見てないよね?」
「そっちはいいので先にこっちを!」
「どれ?」
「ここにサインをお願いします」
「ここだね、……あっ!ちょっと待った!それもう一回見せて!」
その時、いつもは固く閉ざされイゼルが出入りする以外では滅多に開くことのない扉が大きな音を立てて開いた。
イゼルと死の精霊は動きを止め、何事かと扉を見る。
そこにはトリストが顔面蒼白で立っていた。
「トリスト!どうしたの!?」
あまりの顔色にイゼルは慌ててトリストに駆け寄った。
「兄様、お仕事中にすみません……」
「とりあえず座りなよ」
死の精霊が急いで椅子を持って来たのでイゼルはトリストを椅子に座らした。
「何かあったの?」
トリストは悲しそうに話し出した。