天上界生活模様
□悪いと思うなら最初からしないでほしい
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美と醜を司る神レボーベルと戦いと剣を司る神バレストールは周囲からは仲が悪いと思われがちだがそんな事はない。
ただ二神にお互いの事をとても大事に思っている神がいるので周囲が分からないだけだ。
その日もバレストールはレボーベルの宮殿に訪れた。
戦争で長い間月が黄色くならなかったのを謝罪するためだ。
「レボーベル、久しぶりだな」
レボーベルはその形のいい眉を少し動かしただけで何も答えなかった。
「地上界の戦争は一区切りついたんだ。しばらくは月が黄色いだろう」
バレストールは探るようにレボーベルに目を向けたがレボーベルは無表情だ。
「……お前には悪い事をしたと思っている。……本当に」
その時ずっと無表情だったレボーベルがきつくバレストールを睨みつけた。
しかしレボーベルは何も言おうとしない。
「レボーベル、俺を許してくれないか?」
懇願するようにバレストールはレボーベルを見た。
「本当に悪いと思っていますか?」
か細い声が響いた。