天上界生活模様
□作戦会議と題したお茶会
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「よし。二人共よく集まってくれたな」
ディメインとトリストとボヌールは丸いテーブルを囲っていた。
テーブルの真ん中にはクッキーとドーナツ。それぞれの手元にはティーカップ。
ディメインが二人に声をかける。
トリストはペコリと頭を下げ、ボヌールはニコリと微笑んだ。
「今日集まってもらったのは言うまでもないとは思うが地上界の戦争を終わらすにはどうすればいいか話し合うためだ。二人共何か意見があれば遠慮せずに発言するように」
二人は頷く。
トリストは神妙な顔で。ボヌールは変わらない笑顔で。
「ではまずは地上界の様子を発表する。最近は大きな戦争は起きていないが小さな小競り合いが多発している。しかし、東西の大国がお互いに戦争の準備をしているので大きな戦いが起こるのは時間の問題だ」
そこでディメインはいったん話すのを止めた。ボヌールが手を挙げたからだ。
「質問なんですけど今日の月の色は何色なんですか?」
「今日は黄色くなるだろう。大きな戦いは取りあえず終わったからな」
「ええ、そうですね。でも今、地上界は悲しみで満ちています。おそらくすぐに青く変わってしまうでしょう」
トリストが悲しそうに瞳を閉じた。
そしてうつ向く。
「……ディメイン、ボヌール……私は 私は……嘘をついてしまったんです」
ガバリと顔をあげたトリストの瞳には今にも零れ落ちそうな涙がたまっていた。