天上界生活模様
□くだらない情報と大きな代償、比例するため息
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「ビクトワール!☆」
ディベルティスはビクトワールの宮殿、希勝宮に入ると走りながら叫んだ。
「……なんだ?」
ビクトワールはディベルティスが先程入って来たばかりの扉から入って来た。
「なんだよ、そっちに居たのかよ☆」
「さっき普通に私の前を通り過ぎたぞ」
「ええー?じゃあ声ぐらいかけろよな!冷たいぞ☆」
「かける間もなく通り過ぎた」
ディベルティスがビクトワールの宮殿に遊びに来るのはいつもの事だ。
しかしビクトワールは何か悪い予感がした。
なぜならばディベルティスの瞳がいつにもまして輝いていたからだ。
「まぁいいけど☆それよりお前ヒマ?」
「忙しい」
悪い予感が当たりそうだ。
「ヒマ?ヒマなの?よっしゃ!なぁなぁ一緒にイゼ兄の事見に行こうぜ!」
ディベルティスは興奮するとすべて自分の都合の良いよう聞こえる特殊な耳を持っているんじゃないかとビクトワールは疑った。
「忙しいと言っただろう。だいたい兄上の何を見に行くんだ?」
ビクトワールが質問した事にディベルティスは嬉しそうに笑った。
「おお!お前張り切ってるな!実はなイゼ兄が執務室から逃亡した挙げ句に人間を天上界に連れて来たらしいんだよ☆」
ビクトワールはため息をつきそうになった。
「それを見に行くのか?」
「その通り!じゃあ☆さっそくレッツゴー!!」
ハイテンションで話しまくるディベルティスにビクトワールが押し切られるのはずっと変わらないお決まりのパターンだ。