Crazy

□研究室の狂気-5
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目が覚めたら、周りには血だまり以外何もなかった。
そこにあるはずの死体もなかった。
ゆっくり起き上がってみると、頭が鉛のように重かった。ズキズキと疼くような痛さが頭を支配している。

最初は生臭くてたまらなかった血のにおいも、嗅ぎすぎて慣れてしまったようで、今は何ともない。
しかし、このまま血だまりの中に座っているわけもいかず、私はゆっくりと立ち上がり砂浜へと向かった。

ぼーっとする頭を懸命に動かしながら砂浜に向かって歩く。
空は夕焼けで、あと少しで暗くなるところだった。
海のほうを見ると、果てしない地平線は橙色に染まっていて、今まで私が見ていたことがすべて夢のように思えるくらい美しかった。

夢だったらいいのに…。

そう思いながら、ひたすら歩いた。



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