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□1.Lost girl
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ある日、バアルが事務所に帰ろうとすると、事務所の前の階段に少女が一人座っていた。

【番外編:迷子の少女】

白を基準にしたドレスのようなスカートをはいた可愛い少女は、階段に座ってなにやら考えているようだった。

片手を頬に当てて左右に首をかしげるその姿はとても愛おしい。
人形のように白い肌。
その白い肌によく似合う白いドレス。
おとぎ話に出てくるような可愛い少女をバアルはしばらく唖然と見ていた。

しばらく、唖然としていたバアルはハッとして少女に近づいた。
バアルに気がついた少女はバアルを見上げながらこう問う。

「ここは貴方のおうちですか?」

その質問にバアルはキョトン、としたあとこう問うた。

「お譲さんはどこの子?」

「迷子の子なのです」

「………。そう」

少女はニッコリと笑った。
その笑顔はまるで天使のように柔らかく、バアルは胸を撃たれた。

「何故、こんなとこに来たんだ?」

「わからないのです。ただ…」

「ただ?」

少女は下を向いてお腹を抱えてこう言った。

「お腹が…すいたのです…」

「よし来た!兄ちゃんが何か食わせてやるよ!!」

「ほんとうですか?!」

「なにがいい?」

「ストロベリーサンデーがいいです!」

満面の笑みでそう即答する少女に、バアルはなぜかダンテが思い浮かんだとか…。



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