07/21の日記
13：04
雨の火曜日
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一護はさっきから機嫌が悪い。
理由は簡単だ。夏休みになったら行こうと約束していた海に行けなくなったから。
小さな子供のように楽しみにしてたから、たかが雨くらいで中止になった事が、気に入らないらしい。
朝から空と睨めっこで、パラパラと降って来た時は、こっちが笑ってしまう程ガッカリしていた。
実は、朽木の方から簡単な残務整理の仕事を頼まれていたのだ。条件は『雨が降ったら』
二人で海に出掛ける事と一人でマンションに残される事を天秤にかければ、当然『二人で海』だった一護にとっては、本格的に降り出した雨が恨めしい。
「なぁ…、やっぱ行かなきゃいけねぇの？」
「仕方ねぇだろ？ 随分前からの約束だったし、白哉さんが条件付けてくれただけでも、良しとしなきゃいけねぇんだぜ」
「檜佐木さんとかに任せらんねぇの？ なにも恋次が行かねぇでも…」
「一護、約束は約束だ」
「んだけどさ…」
「海はいつだって行けっだろ？」
「ぶぅ～」
「ブタ面になってっぞぉ」
「ぶぅぶぅ」
「いい加減にしろよぉ、餓鬼じゃあるまいし」
「だってさ!! だってさ…、俺すっげぇ楽しみにしてたのに!!」
「さっさと終わらせて、帰ってくるから」
「なんか…寂しいじゃん。雨降ってたら、尚更…寂しいじゃん」
「一護…」
俺は…、必死に縋り付いてくる、この愛情の塊が愛おしくてたまらない。
身体中で、いや…自分の全てで俺を愛してくれる、この一護と言う存在が…。
「仕事終わったら、すぐ…帰ってくるんだろ？」
「勿論だ」
「じゃあ…待ってる」
雨の火曜日…。
本当だったら、二人で海に行っているはずだった火曜日。
だから…、離れている時間分、思いを込めて強く抱き締めて、帰って来た時も俺の腕の余韻が残っているように、強く強く抱き締めて…。
橙色の髪の毛を梳き上げて、その額に約束のキスをする。
「愛してるよ…一護」
「うん、俺も…」
雨の火曜日。
降り払うように外に出る。
温かい、呼吸をしてる俺の太陽は、いつまでも俺の腕の中で輝いて、待っていてくれるから。
いやぁ…、久し振りのオレ☆ベリは、こっぱずかしい程の甘々でした。
たまには、恋次からの『愛してる』があっても、いいよねぇ～。(誰だよ)
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