11/17の日記
22：13
《signs of rain》
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朝の天気予報が見事に外れて、シトシトと降っていた雨は、午後には本格的に降り出した。
そう言えば一護の奴、傘を持って行かなかったと思い出した俺は、玄関先の傘立てからビニール傘を2本引っ張り出すと、雨で煙る街に一護を迎えに出て行った。
雨が降るだけで、いつもの景色が違って見える。
騒がしさが消え去り、まるで息を顰めているようだ。
雨に霞む校舎の陰に見慣れたオレンジの髪を見つけて、傘を振った。
顔を上げて気が付いた一護の口元が俺の名前を呼んで、パーカーで頭を隠すと小走りに駆け寄って来た。
『ほら』と傘を渡すと、さそうとせずに無理矢理 俺の傘に入って来る。
『濡れるだろ』と文句を言えば『いいじゃん』と笑った。
小さなビニール傘に、大の男が二人で入れば、お互いの片方の肩はびしょ濡れで、これじゃ傘を持って来た意味がない。
それでも一護は、傘を持ったままでさす気はないらしい。
『くっついてられるから』と言う一護に『馬鹿野郎』と拳固を落とす。
相変わらず、街は静かで…ただ雨が落ちる音だけがする…。
『飯でも喰うか』と顎を上げて牛丼屋に誘えば『うん』と頷いた。
これから、何か月か経てば…この雨は雪になるんだろうな…と思いながら、傘を畳もうとすると…
一護が肩を叩いて、牛丼屋の硝子の壁を指差した。
そこに映ったのは…
相合い傘。
一護が曇った硝子に、悪戯で二人の名前を書いた。
『恋次』と『一護』…
すぐに消えてしまったが、笑顔で振り向く一護に、俺は…傘を傾けて…
キスをした。
★ラブラブ同棲中の…とご提案下さったお客様、果たして甘いお話しになったでしょうか。
短いお話しですが、綾小路はこれ以上こそばゆくて書けそうもありません。
ご提案ありがとうございました。
またのご提案をお待ちしております。
【多謝:綾小路】
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