11/04の日記
21：22
《お祝いは気持ちで？》
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ドカ～ン!!!
「おら、喰え!!」
「うぉ～!! おでんだぁ」
「一護のリクエストだったからな」
「喰えずに終わっちゃうかと思った」
「あんだとぉ!! …なんてな、心配かけたな」
「うん」
「ずっと、付きっきりだったんだってな…檜佐木さんから聞いた」
「あん時、目ぇ覚まさなくてもいい…生きててくれれば、ひとりぽっちにはならない…て」
「そうか…、なのに…お前の事だけ思い出せなかった…なんてな」
「やめようぜ、こんな話し。恋次はちゃんと此処にいて、おでん作ってくれたんだからさ」
「そ…だな。喰え一護!!」
「うぉっほ～い。いただきま～す。はぐはぐ、うっま～!!」
「だろ、恋次さん特製だからな。ほら、手羽先」
「うぉ～、骨がスルッと取れるんだぁ」
「これが、柚子味噌と相性がいいんだな」
「うん、美味い」
「そうか、美味いか。もっと喰えよ一護」
「うん。なんか…幸せ」
「美味いモン、腹一杯で？」
「ちげぇーよ!!」
「冗談だ。俺も…しあ…」
ピンポ～ン
「誰だよ、こんな時に。は～い」
ドアを開ければ、そこには山のような薔薇に埋もれた…
「檜佐木さん」
「おぅっ恋次、退院おめでとう。仕事で来れねぇ白哉さんの代理で俺が来た」
「なんか…酒臭くありません？」
「祝いだからな、今日は無礼講だぁ!! てんで呑んだ」
「白哉さん、知ってんスか？」
「知らね」
「……いないからって…」
「おぅっ、そだった。白哉さんから、恐れ多くも御伝言様があった。恋次も小僧も心して聞けぇ」
「誰かの印籠みたいだな」
「控えおろう!!」
「完全に酔っ払いだな」
「ん～と、じんれ…」
「逆さっスよ」
「あぁ…『恋次、無事退院おめでとう。本当ならば、私直々に退院祝いを手渡す処だが、所用で行かれぬ。心ばかりの祝いの品を贈る故、楽しんでくるがよい』て事だ」
「楽しんで…て、何ですか？」
「やはりだな、こう…温泉辺りでのんびり…と言う事で…
ジャ～ン!! 超高級温泉旅館、一日貸し切り権!!
当然、喰い放題、風呂入り放題」
「すげっ」
「相変わらずだ…」
「勿論、一人とは言わねぇ。何人でもいらっしゃいませだ!!」
「あ、俺も行っていい訳?!」
「あ～、追伸がある。え～『小僧は、学業に専念せよ』」
「あんだよ…それ」
「相変わらず…だ」
「以上!! ちょっと水くれ」
「はいはい」
「俺だけ、はぶって何だよ。あの糞白哉」
「ブタ面になってっぞ、小僧」
「うるせぇよ!!」
「なぁ…檜佐木さん」
「んぁ？」
「白哉さんに言ってくれねぇか、俺を一番心配してくれたのは、一護だ。
本当だったら、そんなトンでもないモン貰う訳にはいかねぇが、一護と一緒なら…受け取るって」
「恋次…」
「わあった。そうだ小僧が一番だった。そう言っとく」
檜佐木は、フラフラしながらマンションを出て行った。
薔薇のむせるような香りに包まれて、恋次は一護を抱き寄せた。
「ありがとな…一護」
「ふたりで貸し切り…かぁ」
「ん…？」
「あ～んな事やこ～んな事も出来るなぁ…でへへへぇ」
「げっ…」
一護も、しこたま酒を呑んでいたのを忘れてた。
檜佐木さ～ん、カムバ～ック!!
酒癖が悪いのは、以前の花見で証明済の一護君。
高級旅館で何をしでかすかは…次回のお楽しみ。
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