小説

□何変わらぬ日常
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何もない、いつもの帰り道。

冷たい風が吹き、枯葉を舞い立たせる。

そんな中、俺と土方さんはいつものように2人で歩く。

近藤さんはいない。

相変わらずストーカーという名の変体行為に夢中なのだ。

どうせ、報われないのに。





「―――――・・・あ...」

「ん?どうした、総悟」

「雪、でさァ」





灰色の空から、真っ白な雪。

雪に触りたくて、手を前に差し出してみる。

雪は、手の上にのり、瞬く間にとけてゆく。

そんなところが好きで、

否、とても切なく思う。





「―――――・・・寒いな」

「そうですかィ?俺、寒いの好きなんで」

「・・・手が赤いぞ」

「・・・・・・手は、別なんでィ」





寒いのと、手が冷たいのは、違う。

手は暖かいのに、寒い時だってある。





「総悟、手ェかせ」

「?・・・んでィ、いきなり・・・」

「いいから、早くしろ」





俺は、言われたとおりに手を差し出す。

そしたら、土方さんは俺の手を牛と握り締めた。





「―――――・・・・・・あったけぇ」

「寒いのが好きじゃなかったのか?」

「今、暖かいのも好きになりやした」

「そうか」

「・・・あったけェ」



                 手が冷たい人は、優しくて、

              手が暖かい人は優しくないって言うけど、

                  それってまったくな・・・

                         “嘘”だ。










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