短い夢

□許して、ダーリン!
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あなたのあんなかお、はじめてだった。




私が奉公に出ると告げた時も、敬称付きで初めて名前を呼んだ時も。
小難しい顔をいっそう険しくしたのみで、驚きと言うよりかは憤りのようなものをひしひしと感じただけだったのに。




あんな顔、あんな表情初めて見た。




あんまりにいたたまれなくて、どうやって抜け出したのか切り抜けたのか無我夢中で覚えていないけど、足早に廊下を駆け抜ける内そんな事が浮かんできた。


まだ山のような執務があったのは知ってたし、最近は遅くまで頑張ってたみたいだから単純に疲れていだだけなのかもしれないし。

それにたかだか素っ気ない返事をされた位で泣く奴があるか!って思う自分もいるけどどうしてか涙が止まらない。



はしたないなんて言わないで。

今だけは許して欲しい。




溢れ出したそれは廊下に点と点とで道を示してしまってる。

追い掛けてくるとは思えないし、そんな性格じゃないって長年の付き合いから充分わかりきってるけど。
少しの気配も感じられないことがこの上なく悲しくて、心臓辺りを突き刺す痛みに我慢なんかできなくて。





貴方に会いたいがためだけに此処まで追いかけてきた訳だけど、間違いだったのかな。


ずっとずっと迷惑、だったの?





そう思ったら、またブワッと涙が込み上げて。
いつの間に涙腺弱くなっちゃったのかしら。



こんな私、知らない。


嫌で嫌で堪らない。






今まで気が付かなかった自分が。
何より、独りよがりだった自分が。













(そんなつもりじゃなかったの)


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今更ですが、幼なじみ設定らしいです(ぇ

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