その他コラボ小説

□REBORN×まるマコラボ!
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『いやあ……まさか,魔王陛下ではなかったとは……申し訳ない』

『いえ,こちらこそ,匿っていただいてありがとうございます。そんな事情があったなんて知らなかったので……教えていただいてむしろ助かりました』


綱吉と雲雀はあれから,自分たちを見て叫び声をあげた男性をどうにかこうにか(力で以て)押さえつけ,彼を半ばきょうは……ゴホゴホ,説得する形で彼の家にかくまってもらい(あの少年は彼の息子だったようだ),そこで事情を詳しく説明したのである(雲雀は脅す以外は全く喋らなかった)。
彼は,雲雀の様子と綱吉の雰囲気を正確に悟ったらしく,明らかに彼の勘違いだったということで話はついた。
ちなみに,彼とはドイツ語でコミュニケーションが取れている。少し訛りはあるが,本質的なところの意味はほとんど同じなようだ。


『しかし異世界というと,我が国の魔王陛下も異世界でお育ちになられたそうなのですよ』

『王様が異世界育ち……?よくそんなの王様にしたよね』

『それはもう,ユーリ陛下が玉座につかれた当初は大変な騒ぎでした……なんせあのお方は魔族と人間の混血であられましたし,いくら眞王陛下のご指示だったとしても,我が国のことを全くお知りにならない方がいきなり王につかれるとあっては……王宮内でも,相当な権力争いや混乱があったそうです』

『……すいません,そのマゾクっていうのとシンオウヘイカっていうのを教えていただいていいですか……?黒髪が珍しいってのも,もしかしてそっから来てるんじゃ……?』


綱吉らが説明してもらったのは,この世界では黒髪の存在は珍しいこと……それを持っているのは現魔王陛下だけだということだ。
魔王というだけだからそれはもうおどろおどろしい存在なのかと思ったが,彼が言う「マゾク」とその敬意の度合いを感じるには,そんな恐ろしいものではないのかという気もする。しかも,異世界育ちというならば,まさかだが自分たちと同じようにここの飛んできたのかもしれない。
しかし,そこはどうやら事情は違うようで,綱吉と雲雀はそこの詳しい事情を良く聞かせてもらった。そして,取りあえず大事なのは,

@この国では黒髪は敬意を払う対象なので返送は必須。
A魔族といっても悪の存在ではなくて人間と変わらない外見が多い。
B人間と違うのは外見の美しさと寿命。外見に騙されちゃいけない。
C魔王陛下は国民のことを第一に思ってくれる良き王様。

………ということだろうか。
どうやら今綱吉らがいるところは王都から少し離れた「クライスト領」というところらしく,ここは湖が多くて国内でも有数の自然の豊かな観光スポットなのだそうだ。賑やかだと評したこの家の近くの大通りは,今日が収穫祭らしくてその騒ぎだったらしい。



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