その他コラボ小説

□REBORN×まるマコラボ!
5ページ/25ページ




「何だか……中世のヨーロッパって感じですね」

「街並みとか建物がそんな感じだね……石と煉瓦造りで,空気もきれいだ。文明の利器があまり見受けられないように思うんだけど?」

「確かに。過去にでも飛ばされちゃった感じですかね」


彼らが言うとおり,路地裏といえど,そこかしこにある建物や空気,無造作に置かれたたるや箱を見ても,明らかに段ボールだとか排気ガスのにおいはしないし,いくらヨーロッパの街並みに似てるといえど,ここまで古き良き時代が残った賑やかな町というのはないのではなかろうか。
少し遠くに見える大通りらしきところは,彼らの持つ滅茶苦茶いい視力で見てみればわかるのだが,たくさんの人が行き来していることが見受けられるのだ。小さな町であるはずがない。
彼らが身につけている服の生地や構造の感じ,そして髪の色や持ち物から察するに,ここは昔のヨーロッパと考えるのが妥当だろう。


「それによく似た異世界,ってことですかね?」

「赤ん坊が言うことが本当ならね。……どうする?ずっとここにいるのも……何だか埃っぽくて嫌なんだけど」

「でも,この格好であそこに出て行ったらおかしいですよ。着てるものとか全然違いますし……」

「まあねぇ。でも………」


雲雀が反論しようとしたその時だった。


「……Schwarzer……」

「「……はい……?」」


綱吉と雲雀が話していた路地裏の,もっと奥から聞こえた声……それは,子どもの声であった。
勿論二人がその気配に気づいていなかったことはない。とりあえずこの気配の主がどういう反応を返すのかが気になって,放置していただけだったのだが……聴こえてきた単語は予想外だった。

二人して間抜けな声を上げながら振り向くと,そこにいたのは,年端もいかない小さな少年で………。しかし,綱吉はあれ?と何かしらの違和感を感じた。何となく,本来の中身と外見とのギャップを感じたのだ。
綱吉が首をかしげるのにお構いなく,少年は雲雀のことを,じーーーーーっと穴があくほど見つめてくる。そうした熱心な視線をあまり好まない雲雀は,すぐに眉間にしわを寄せた。


「………ちょっと……何だい,君」

「雲雀さん,日本語で言ったって通じませんよ。聴こえたの明らかにドイツ語だったじゃありませんか。……Wer bist du?(君はだれ?)」


雲雀と綱吉は,普通に数ヶ国語をしゃべることができたりする。
彼らの知識量は,そこらの大学生などとは比べ物にならないほどあり,片手間に語学を勉強して,それを完全に習得できてしまうほど,頭の回転かなり素早いのだ。

少年は,綱吉がわざわざドイツ語を用いて喋ったにもかかわらず,それを完全に無視してきらきらした目で雲雀を見つめながらまた似た言葉を繰り返し,そして聞きなれない言葉を口にした。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ