その他コラボ小説

□REBORN×SEEDコラボ!
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「ちょっと貴方,綱吉って子のこと知らない?」
「………は,つ,なよし……?」
「知らないみたいだね。ふうん……まあ,彼なら図太いからそうそうやられたりはしないと思うけど…厄介なことに巻き込まれてる可能性はあるかな」
「ま,待て!君は一体…?!」

ようやく復活したアスランは,一人納得している少年にあわてて声をかける。すると,少年はいささか不機嫌そうにアスランに視線を向けた。その視線はきつい。

「……名乗る筋合いなんかない,と言いたいところだけどね。僕はこの世界について全く知らないから教えてあげるよ。僕の名前は雲雀恭弥。君,僕の探しものに協力してもらうからね」
「………言っている意味が全く分からないんだが…“この世界”とはどういう意味だ?というか,君いったいどこから入ってきて……ここはパスワードを入力しないと入れないようになっているのに」
「理解力のない人だね。だから,僕はこの次元とは全く違うところから来たって言っているでしょ。パスワードやら何やらを入力する以前に,僕はこの空間に突然降ってわいたんだから入力する必要もなかった,それだけ」
「……………はあ?!」

少年…雲雀の不可思議な発言にアスランは素っ頓狂な驚きの声を上げた。
雲雀はより気分を害したらしく,ただでさえ釣り上った目をさらに剣呑なものにする。

「うるさいよ…とにかく,君に拒否権なんかないから。僕はまず,綱吉を見つけなきゃならないんだからね。協力しないなんて言ったら咬み殺すよ」
「咬み…?ちょ,待て…!!」

雲雀はアスランの首元にトンファーを突き付けた。アスランは条件反射でそのトンファーをはたいて雲雀から距離をとる。
それに嬉しそうな声を上げたのは雲雀だった。

「ワオ,なかなかやるみたいだね,貴方。ちょうどいい…最近咬み殺しがいのある相手がいなかったんだよね。少し付き合ってよ」
「はあ?!…っと!」

ヒュン,ガキィ!!

「な……っ,ここは戦艦の中だぞ…?!強化されてる壁をこんな簡単に抉るなんて…っ」
「ちょっと,まじめにやらないと本気で死ぬよ。僕の本気はまだまだこんなもんじゃないんだからさ」
「ちょ…待てっ,君の目的は『ツナヨシ』を見つけることじゃなかったのか?!」
「少しくらい戦ってたって彼なら大丈夫だよ。だから死合おう」
「おれは嫌だから!!」

雲雀の気が済んだ頃には,アスランはすっかり疲れ果てていた。戦場にいるときとは違う,直接的な殺気を浴びた戦いは久しぶりすぎて,勘を取り戻すのにしばし時間がかかったのである。
それでも,雲雀はかなり強かった…彼など,息一つ乱さずに見るからに機嫌の好さそうな顔つきである。なにやらお肌もつるつるな気が……

「なかなかやるね。この僕に一撃も入れさせないなんて,綱吉くらいだよ」
「つ…ツナヨシという人物も…強いのか……」
「強いよ。でも…ときどき心がもろい時があるから,そばにいてあげないと」
「……」

コーディネイター並に強く,そして容貌の整った雲雀。しかし彼は,この世界の人間ではないという……確かに,彼が言うことはつじつまが合うのだ。突飛なことに変わりはないが。
そして,雲雀が大切そうに,慈しむようなまなざしを浮かべる相手…『ツナヨシ』。
かれもまた,この世界に辿りついているはずだという。いまだアスランの脳はこれを受け入れがたいと言っているのだが,あまりぐずぐずしていると再び雲雀のトンファーが飛んできそうなのでそれは心の内に隠しておいた。



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