その他コラボ小説

□REBORN×SEEDコラボ!
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ずどん!

鈍い音をたてて,キラの真上に人が落ちてくる。前触れも何もなかったので咄嗟に反応できるはずもなく,キラはその少年に押しつぶされることになった。

「お,も……」
「うわあっ,すみませんんん!!…ってあれ…?」
「え…?あれ,君は……?」

慌ててキラの上から降りた少年は,キラを見つめて,あたりを見回して,固まった。
そしてキラも訝しげに少年を見る。蜂蜜色の髪と瞳……顔立ちはアジア系のようであるが,こんな少年ここにいただろうか…?

「君は…何でここにいるんだい?整備場はなかなか入れないようになっているはずなんだけど……ていうかどうして上から落ちて…それに,避難民の中で君を見たことなかったような……?」
「…………全く,リボーンのやつまた面倒くさいもの使いやがって…」
「??!!」

キラのことをすっかり無視して,少年は突如豹変した。先ほどまでの気の弱そうな態度はどこへやら,大きな瞳を若干細め,頼りなげだった眉はきりっとしている。何よりまとう雰囲気が違っていた。

「き,君は…」
「あ……すみません,いきなり現われてびっくりしましたよね。俺の名前は沢田綱吉っていいます。貴方が見たことないのも無理はありません,俺は初めてこの世界に来ましたから」
「こ,この世界って…?」
「俺は,実はこことは全く違う世界から来たんです」

…………………………………

「……落ちてきて頭打ったの?記憶が混乱してるのかな…医務室行こうか」
「俺は正常だから無意味です。まあ,こんなこと言っても簡単に受け入れられないのはよくわかりますが…落ち着いて,頭の中整理してよーーーく聞いて下さいね?俺は,とある外的要因によってこの世界に飛ばされてしまった,いわば異世界人なんです。まんまですけど。で,俺は諸事情によって本当の性格を偽ってさっきの初っ端みたいな気弱な性格の人間として暮らしていた『沢田綱吉』という人物なんです。もし分かっていただけたのなら,貴方のことをお聞きしたいのですけど」
「………」
「おーい,大丈夫ですか?まいったな…確かに非現実的なんだけど…ここからまず降りたほうがいいのかな?」
「ちょ…ちょっと待って!」

一瞬固まっていたキラだったが,少年(サワダツナヨシというらしい)の行動にあわてて意識を取り戻して引きとめた。それに少年も素直に従う。

「君の言ってることが本当なら…容易に歩き回らないほうがいい。君は本当ならここにいるはずがない存在…ってことでいいんだよね?」
「その通りです。ここは…いったいどんな世界なんですか?あなたが今乗っているこれは…もしかしてロボットですか?」
「ロボットっていう言い方はあまりしないかな。これはMS…モビルスーツっていうんだ。…これは,戦争に使う兵器なんだよ」
「兵器…つまりこの世界では,今戦争が起きている,ということでいいでしょうか」
「その通り。……君はすごく頭がいいんだね。冷静だし」
「いや…俺にしては随分動揺してるんですけど,そううろたえていられない状況なので。取り合えず,あなたは信用できる人だと思うので,これからの身の振り方などについて教えていただきたいのですが」

冷静につらつらと言葉を述べる綱吉に,キラは目を白黒させた。この少年の頭の回転の早さはコーディネーターとためを張るもののように思える。しかし,彼の言葉通りならば,彼はコーディネーターとはまた違った人種である可能性が高い。名前の雰囲気的にはアジア系…日系である要素を感じさせるのだが,そうだと判断するのは早計であるだろう。
まずは彼が欲する情報を与えることが先決だと,キラは本能で感じ取った。









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