その他コラボ小説
□REBORN×SEEDコラボ!
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「実はな,試したい弾ができたんだぞ」
「……まさか,死ぬ気弾の改造版とかいうんじゃ……」
「ツナにしちゃなかなか鋭いじゃねーか」
「鋭いとかそういう問題じゃないよ!いくら俺でも何度も打たれちゃさすがに学習するっつの!!」
「そうか,んならこのあとの展開も分かってるよな」
そう言ったリボーンは,しっかりと照準を綱吉に向ける。それに青ざめる綱吉。
「まままま待てよリボーン!つか何で俺でいっつも試すんだよ?!」
「手ごろで楽だから」
「なにその一粒で二度美味しい的なアバウトさ?!」
「うるせー黙って撃たれろ」
「ぎゃあああぁぁ!!!!」
問答無用で放たれた弾は,綱吉に寸分の狂いなく当たる。その瞬間…
ボンッ!!
………という音とともに綱吉からもうもうと煙が発生し,それが部屋中に蔓延しだした。
それには,早い展開においていかれていた綱吉の守護者たちも煙から逃れようと袖で鼻を押さえその場から一歩退く。
しかし,独りだけ違う行動をした者がいた。
「綱吉?!」
綱吉の恋人である雲雀は,リボーンの銃弾に当たった綱吉を心配して煙を全く気にせずに突っ込んでいった。しかし……
「っ綱吉?!」
「ヒバリ,ツナは?!」
「………いない………」
「なにぃ?!」
「十代目がいないだと?!」
まさかの事態に騒然としてしまった。今まで,銃弾に当たってもけしていなくなるということはなく,未来のその人物と入れ替わるとか小さくなるとか小言を言いだすとかパンツ一丁になるとかそれくらいだったのだ。まさか,気配すらなくなってしまうだなんて!
「赤ん坊…いったい何を綱吉に使ったんだい?返答によっては君を殺すよ」
「やれるものならやってみろ…と言いたいところだがな雲雀。ツナなら無事だ」
「何で断言できるのさ?」
「ツナはな……異世界に行ったんだ」
「「「「「異世界?」」」」」
「そ,んな,非現実的な……」
「非現実じゃねぇ,本当のことだぞ」
そう言ったリボーンは,懐から再び先ほど綱吉に打ち込んだ弾と同じものを取り出した。
「十年バズーカがあるぐらいだ,もう非現実なんてもんは見慣れてるだろ?特にお前らはな。寧ろ,過去に戻ったり未来に行ったりなんていう時系列に逆らう縦の動きにくい時間軸じゃなくて,全く違う時間軸…つまり俺たちが生きているこの世界とは別の場所に行く横の動きのほうがやりやすいんじゃないかってんでジャンニーニと相談したんだぞ。そしたらあいつ,案外簡単にできたとか言っててな。確かに成功らしい」
「それで…なら綱吉は何処に行ったって言うんだい?ちゃんと戻ってこれるんだろうね」
「それは心配ねぇ。だが…ある条件をこなさねーといつになったって帰ってこれねーぞ」
「そ…その条件とは一体何なんですかリボーンさん?!」
それなら心配ないと喜びかけてもつかの間,リボーンの最後の言葉に誰もの表情がまた硬くなる。
「それは……異世界で誰かを本当に幸せにすることだぞ」
「「「………はぁ?」」」
考えもしなかったその条件に,誰もがおかしな声をあげてしまった。それに一番喰いついたのは,綱吉を最も心配しているだろう獄寺である。
「何を言っているんですかリボーンさん!というか,何でそんな条件ができて…」
「ジャンニーニの改造ミスで,ワケわかんねぇ条件になっちまったんだ。馬鹿と天才は紙一重だぞ」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!!」
獄寺がそう突っ込むのも仕方のないことである。山本も,さすがにこの事態に天然さを発揮することはなく,深刻な表情を浮かべていたのだが…そこで,ゆらりと動いた人物がいた。
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