その他コラボ小説

□REBORN×鬼灯の冷徹コラボ!
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…………少年の身体は満身創痍といってよかった。体中に打撲痕・火傷・擦過傷・銃痕などがあり,内臓まで傷つけられているようで,本来の白い肌に浮かび上がる青や赤の痕に白澤も厳しい顔になった。もともと小さいのかもしれないが,どうやら満足な栄養もとっていないようで腕も腹もガリガリに痩せている。
取りあえず目に見える傷には塗り薬を塗布して,人間に神に使うような薬は使えないので点滴を施してやった。




「……随分むごいやられ方をしているね。見たところ日本人みたいだけど,どこで拾ってきたんだい?まさかじゃないけど日本でこんなことできるわけないだろ……?」


「そのまさかです。しかも,道のど真ん中で転がっていました。この傷だらけの格好でね」


「嘘だろ?!だってこれ……銃痕じゃないか!」


「このようなことをやった相手は地獄落ちですね。今すぐ死ねば思い切りいたぶってやるところなのですが……生憎できないのが惜しいところです」


「……なあ,そろそろ何があったのか話してくれない?お前が人助けをするなんて,中々ないことだろ。しかも人間を拾ってくるなんて」




動物相手には基本優しい鬼灯ではあるが,今回のように人間を連れてきたことなどない。むしろ,生きている動物でさえ連れてきたことはないのだ。それが,今回ギリギリのことをしてまでこの人間を助けようとした……それが,白澤としては少し面白くなくて,事情を知りたいと思う。
鬼灯は少年の様子を静かに見守りながら,白澤の入れたお茶を飲んで一息ついた。どうやら話す気になったらしい。




「約束でしたからね,話しますが……別に私もそう事情を知るわけではないのです」


「はあ?堕ちてたから拾ったとか言うんじゃないだろうな」


「大雑把にいえば,そういうことになりますね」


「え,何の冗談……?」


「冗談なものですか。ただ……このままにしておくわけにはいかないと思ったのですよ」




そう言った鬼灯は,つい二刻ほど前のことを思い出した………




















………鬼灯が現世にいたのは仕事だからだ。これまでにも何度か足を運んではいたが,実は日本に出張すると言うのはあまりなかったことだった。この機会にと時間の許す限り現世の様子を観察し,その文化や社会の状況などを情報として頭にたたき込んでいく。
そして,その帰りにとある町にやってきた時のことである……。




「……?」




地獄でも現世でもあまり聴きなれない音が聞こえた気がして,鬼灯は耳をすませた。
鬼灯の目の前に広がっているのは,現世ならどこにでもあるようなただの住宅街。その一角で……何故,銃声が聞こえるのだろう?
聴き間違いなんじゃないかと思いながらも,それが気のせいではないとなんとなく思って立ち止まってみると,銃声に引き続き,次に聞こえてきたのは刀の鍔なりの音と,激しい爆発音で。

一度は死んだ身で,あの世でも重職についている鬼灯が現世の物事に関して関わっていいはずがないのだが,いつもなら無関心を貫く彼もいてもたってもいられなくなってしまう(鬼灯が?! by白澤)。




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