その他コラボ小説

□永遠のキズナ 番外編
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80000打記念アンケート結果1位!
100000番リクエスト(徠歩様)より


「永遠のキズナ」クリスマス小説☆










…………これは,全ての戦いが終わった直後のお話…………






聖夜に起きた,奇跡のお話












…………屋根に白く雪が積もった,とある小さな家の中では,静かに宴の準備が始められていた。
……いや,決して静かではなかった。




「ちょっとシズちゃん,そこじゃないってば!玄関の真ん前にもみの木置いてどーすんのさ?!」


「うるせぇテメェが手伝えっつったから置いただけだろーが!!だったら呼ぶんじゃねぇよ!!」


「だって君こんなことくらいしかできないでしょ。君のその馬鹿力を有効活用してあげてるんだから,むしろ感謝してほしいなぁ……」


「て…んめこのノミ蟲があぁぁぁぁ!!」


「ちょっと,煩いんだけど。静かに作業できないのかい?これ以上喧しくするようなら咬み殺すよ」


「っていうか作業全然進まないしむしろ後退してるんだけど……」




家の中にいるのは,誰もかれも様々な方向で飛び抜けた容姿を持つ男たちと,紅一点の女子が一人……彼らに特に共通点はない。性格も国籍もな何もかも違う彼らをここに集めたのは,ただ一人の子供を元気づけるためであった。
折しも季節はクリスマスシーズン……そして今夜はクリスマス・イブ。騒ぐにはもってこいのイベントだ。

そして,彼らが心砕くただ一人の子供…沢田綱吉は今はここにはいなかった。落ち込みすぎて日にちの感覚もなくなってきている彼は,今日がクリスマスであることを知らない。だから,彼と一緒に生活している雲雀恭弥が二言三言適当に言葉を紡いで,有利と彼の護衛であるコンラートとともに出かけさせたのである。
その間に,こうして雲雀が集めた綱吉の友人らとともにクリスマスパーティーの準備をしているのだ。




「早くしないと,ツナヨシが帰ってくるぞ?料理はほとんどできているんだが」


「えっ?!ちょっと,早すぎだよアスラン!!」


「意見がかみ合っていないからですよ全く……何でそう好戦的なんですかねぇ?」


「煩いよ南国果実が………ここに足を踏み入れることを許可しただけでもありがたいと思いなよ」


「クフフフフ……別に綱吉君からは許可は頂いていますけど?」


「この家の名義人は僕だ。いくら綱吉が許しても,僕が許さなきゃ入れるはずないんだよ」



「だから言い争ってる場合じゃないですよ二人ともっ!頼むから手だけは動かせって…!!」




そう言ってこの中では割と常識人である藤丸が頭を抱えた。
室内の飾り付けやテーブルなどのセッティングは,雲雀・骸・藤丸・音弥・キラ・臨也と静雄の仕事……そして,料理はアスラン・クロームの仕事だ。圧倒的にセッティングの方が人手が多いというのに,全く進んでいないどころか調理よりも遅れているのはこうして度々起こる諍いのせいだ。
そのたびに誰かが止めに入るのだが,中々誰もがスタンドプレーが好きなものたちの集まりなので,好きなように動いてしまうのである。藤丸が頭を悩ませていると,見かねた音弥が鶴の一声。




「いい加減にしてください。綱吉の前でもそんなくだらない真似をするつもりですか?もう時間はないんですよ……こんなやりかけの装飾じゃ,綱吉がなんて思うか……」




今,誰もの心の中心を占めているのは,いかにして綱吉を喜ばすかということ。その言葉に全てのものが動きを止め,渋々と武器をその場に置いた(静雄にいたっては,振り上げてた椅子をどうにか床に置くことに成功した)。
その様子に納得しきれていない色は見受けられるものの前進したことを認め,藤丸は安堵のため息を漏らす。アスランも,うんうんと頷いて同意を示した。




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