ユーリとハリーと賢者の石

□ユーリとハリーと賢者の石 9
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季節は流れに流れ,今はクリスマスシーズンである。
クリスマスは家に帰る生徒が多いわけなのだが,ハリーは親せきの家に帰るつもりはないし,ロンも大家族から離れ自由気ままな生活を求めて却下。村田も親の仕事の関係で残ることになった。有利とハ―マイオニーは,親に求められて帰郷する予定である。

「私たちがいない間でも調べててね!私も家の本をいろいろ読んでみるわ。あの人の名前…絶対どこかで聞いた気がするもの」
「俺も親父とおふくろに聞いてみる。何か知ってるかもしれないし…」
「こっちはまかせといてよ。二人が帰ってくる前に見つけてやるからさ!」
「俺も,眞魔国で探れるところまで探ってみますよ」
「よろしく頼むよ。僕もどっかで聞いた気はするんだけどなぁ…」
「ケンが思い出せないなんて珍しいね?」

旅支度を終えた有利らをグリフィンドールの応接室で見送るハリー・ロン・村田。コンラートは一度挨拶に渋谷家に向かうことになっており,魔族特有の移動手段で渋谷家に行くことになっていた。ハ―マイオニーは勿論列車である。

「じゃあみんな,元気でな!」
「いいクリスマスと新年を」
「うん!」
「じゃあねユーリ,コンラート!」

コンラートは有利を軽く抱き上げ(お姫様だっこ),そしてその姿を消した。魔族特有の移動手段…それは,眞魔国を一度通り,そして再び地球に現われるというやり方なのである。彼らが知っている地点ならば,簡単にその地点に座標を合わせ,移動することができるのだ。
今回もそのやり方で移動したため,コンラートは眞魔国の王都にある血盟城という王城の自室を経由して,過去12年くらい前に一度行ったことのある渋谷家の玄関前に姿を現した。
表面上は一般家庭と全く変わらないため,姿は見えないようにしている。

「ユーリ,到着しましたよ」
「おお,俺んちだ!なあコンラッド,さっき通ったところって,どこなんだ?」
「あそこは俺の自室ですよ。魔族は割と神出鬼没ですが,マナーはありますからね。さすがに街の真ん中とかで移動はできませんから。人型魔族をパートナーに持つ召喚魔法士はよくこの方法で移動したりしていますよ」
「へえ……まあ何はともあれ,ありがとな!コンラッドっ」
「どういたしまして」

そして二人は,懐かしの渋谷家に足を踏み入れた。
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