その他コラボ小説

□REBORN×鬼灯の冷徹コラボ!
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REBORN×鬼灯の冷徹コラボ小説@
※BL要素あり(ヒバツナ・白鬼)
※色々とねつ造入りますのでご注意を!











「……………おや」




その日「鬼」は,不思議なものを拾いました。












甘いにおいの漂う美しい場所,人間のあこがれの土地・桃源郷の,うさぎ漢方「極楽満月」の前に二人の人影があった。1人は身を真っ黒の着物に包んだ案外体格のいい美丈夫と,もう1人はその男に荷物のように抱えられているまだ幼い少年。しかも,どうやら意識がないようで手足をぶらぶらとさせていた。

男はそれを片手で軽々とやりながら,抱えていない方の手で「休店日」と書かれた札が掲げられている戸をたたく。中で人の動く気配がするのを感じ,少し時間がたってからようやく戸が開いた。




「………何さ,今日は休みなんだけど…………って,え……?」


「お客です,取りあえず通しなさい」


「え?え?…って,おいちょっと!」




中から出てきた店の主……桃源郷にすむ神獣・白澤(はくたく)を無視したまま,勝手に部屋に上がって奥の白澤の寝室に我が物顔で侵入する。下半身のだらしない獣の部屋と常々言っていたが,どうやら今日は誰かを連れ込んだりはしていないようであった。
まあ,諸々の事情で最近はそう言ったことをしなくなった白澤ではあるのだが,この黒い着物の男はそこに関してはあまり白澤を信用していないのである。
彼は担いできていたものをベッドに寝かせ,その身体を検分するように服を少しはだけさせた。




「ベッドを借りますよ」


「もう借りてんじゃん!つかこんなところに連れ込んで,一体そいつ何なワケ?ていうか……」


「いいから貴方はさっさと漢方を作りなさい。見て分からないんですか,重症の患者ですよ」


「ここは病院じゃないんだけど…まあ,天国にそんなもんないんだけどさ。だから!ここは一応中国に近いとは言っても天国なんだって!それくらい分かってるだろ?なのに……



そいつ………人間だろう………?!?!」




白澤がそう叫ぶのも無理はない。この場は神がすむ領域………なのに,男が連れてきたそれは,まだ生きている「人間」であったのだ。
生きている存在が天国にいていいわけはないし,白澤の目の前にいる男がそれを分かっていないはずがない。彼だって,いわゆる「あの世」に属する存在……その中でも非常に高位の立場にいるある意味での「神」である。それが,禁忌とも言える所業を犯しているのだ……驚かないはずがないではないか。

しかし,男はそれに別に動揺したそぶりも気にした様子もなく(むしろいつも通りに)動こうとしない白澤の鳩尾に強烈なキックをかます。




「ふごっ……」


「休日だからと言ってこんな日中まで惰眠を貪っているんじゃありませんよ。私は早くしろと言ったんです。この人間が死んだとしたら,私がここまで連れてきた意味がなくなるでしょう。さっさと作れ,この淫獣が」


「淫獣じゃない!はいはい………作ればいいんだろ,作ればっ」




店内で干していた布巾を頭に巻き,白澤は作業を始める。しかし,大事なことだけは言っておかなければならなかった。再びベッドの上の人間の服を脱がせ始めた男に向かって一言。




「薬を煎じ終わったら,ちゃんと説明してもらうからな,鬼灯(ほおずき)!」




男……地獄の閻魔大王の第一補佐官を務めあげる鬼神のトップに立つ男・鬼灯は,白澤の言葉に「仕方ありませんね」といいながら,恐れられる男とは思えないほど優しい手つきで人間のふわふわとした髪を撫でてやった。




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